ソルトに招かれ、部屋に大きなリュックを背負った大男が入ってくる。
　最後一言で少し不安になったものの、現状用意出来る人材の中でこの男以上にあてになりそうな人間もいない。

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　命に別条はないという良い報せと、原因の馬鹿馬鹿しさにソルトが脱力する。

　男がそっと掛布団をめくると、包帯を解かれたらいちの右腕が露わになる。
　日焼けした肩、ひじの部分で切断された腕、そしてそこから伸びる本来の腕の代わりの義手。
　包帯が巻かれていた部分は日焼けを免れてその肌は白い……

　が、その先端部分…義手より上は真っ黒に染まり、まるで火の中に腕を入れたかのように水ぶくれが出来ている

　ソルトはじっと目を閉じて男からの返答を待つ。

　ソルトは少し逡巡した後、男に向かって話し始めた……

　朝食時、ソルトの突然の通達にララ達は驚き、当然のように次々と疑問を投げかけた。

　が、ソルトは契約書の文面を盾にして、それをのらりくらりと躱していく……。
　いかに契約上正しくてもそこは信用商売……ソルトの流儀には反するのだが、背に腹は代えられない。

　ソルトにらいちの代わりに戦列に加わって貰いたいという提案もあったものの、エンブリオとの契約をしていないソルトでは足手まといでしかないということ、他のＰＴに地下牢への入り口を案内する仕事があるという事を告げて、ソルトはそれを拒否した。

通りすがった金髪の少女が其方に近付いてくる。
服装は水色のワンピース。夏でも涼しそうな格好だ。
近づいてきた金色の髪の少女は、赤い髪の少女に話しかけた。

少女はそう言いながら何も無いかのように見える空間を指差す。