「ふわぁ……」
「ヘイル、寝てないの？」
「ああ、すみませんお嬢様。何分朝の行動だったもので」
さすがに一般の人は昼に活動する。常時共にするＰＴならば夜に合わせるもののさすがにこっちに合わせるのは辛いものがあるだろう。そういった理由を鑑みて一時的に昼に行動を合わせた。まあ、そうなるとツケは回ってくるわけで……
「ま、大体はそっちに任せてあるからね……っていうかこのまま夜型で問題ないの？」
「お嬢様の行動が夜型ですからね。確かにまれに昼に動くとはいえ吸血鬼である以上、夜の方が適切でしょう」
まあ、お嬢様もポリモルフなり色々やれば日は大丈夫なのだけど……
「ま、いいけどのね。とりあえず今日は仮眠しておきなさい。食事の用意ぐらいはなんとかなるわよ。命令ね」
「調味料は左の棚ですからね。では……少し休ませていただきます」
正直今日の料理は不安だけど……多分なんとかなると信じよう





数時間後、アズとローゼの悲痛な叫び声が聞こえたのでヘイルが起きてきた時に出来た料理は封印指定物だったという

　どこか含んだような言い回しをしているが、詳しく話す気は無いように見える———

聞きなれない言葉に首をかしげる、ただ何を指しているかは理解出来る様子
ただ、増えた剣については殘像でも無い様でさっぱり理解出来てない顔である。

自分の知識ではそう答えるのが精一杯であった。
ただ、疲れるのにも納得する顔である、魔法の数あれど物質を増やすという類はどちらかと言えば錬金術のしごとだ。
魔法で実現しようとすれば……たぶん自分じゃ一本増やすのも厳しいものがあるだろう。

っと言っても殆どがエンブリオに力ではある。
使いやすいと言ってもその実質たるや微々たるものである。

感覚としては自分のやり方は間違って無いらしい……さて何がいけないのか。

実力よりはその立ち振舞に敵わぬものを感じるらしい。

ボロボロの一冊の本を差し出しながら問う、自分にとって伝説や神話はそれこそ憧れすらある世界だ、こんな身近に感じられるものなのだろうか。

と、ソルトは済まなさそうに頬を掻く

生憎とこれだという料理人は知りませんが、仕立て屋や細工職人なら心当たりがありますので

もしお近くの際は紹介しますよ？