「しかし、珍しいわね。人を呼ぶなんて」
「ええ、例え余裕であろうとも、万全を期して戦う。基本ですからね」
次の戦いに備えて即席で組んだ相手を見てお嬢様がつぶやいた。今ここにはアズもいなく、私とお嬢様だけである。
「まあ私としてはどちらでもいいけど、無闇矢鱈と人を引き込まないことね、何かあるかもしれないし」
「そうですね。お嬢様に振りかかることのないよう、客間のみの制限はかけてあります。まあそれでも一般的な家よりは広いでしょうが」
続けて報告しようとしたところでお嬢様が制する。
「そう、報告はもういいわ。今回のことは大体あなたに任せてあるし、大体は自由に動いていいわよ。その分私も色々と自由に動かせてもらうけど」
確かに最近情報収集と言う名目で出かけてることは多い、まあお嬢様のことだから心配はいらないのだが……
「そういえば、アズは大丈夫なの？」
「大丈夫でしょう。少しは話して打ち解けているようですので。まあ、もう一方は……大丈夫でしょう」
「ま、頑張りなさいよ」
そう言ってお嬢様は外出準備をしていた。どうやらまた出かけるようだ。
「さ、命令よ。あなたも交流を深めてきなさい、臨時とはいえ共闘するのだから、何もしないよりは交流するべきでしょう」
「はい、了解しました。では失礼します」

暫し沈黙して