〇月　×◇日　晴れ

　空は快晴。
　でも、私たちの心は曇り空でした。

　はい。
　また惨敗です。

　ちょっと、ちょっとすごく、落ち込んじゃったので、あまり書かない事にするね。

　うぅ……ミニドラゴン強かったよぅ……。
　カニさんも鋏大きくて怖かったよー……。
　ミニドラゴンと契約、してみたかったなぁー……。

　そういえば、メリファンちゃんがちょっと話したいことがあるって通信で言ってたっけ。
　通信じゃ話しづらい事みたいだったから、明日の攻城が終わったら船に戻らないとね。

　あ、ついでに船のお風呂皆に使わせてあげられるか聞いてみよっと！
　修理もだいぶ進んだみたいだし、ばっちり使えるようになってるはず！
　一応国家機密というか、独占技術の塊だからあまり見せられないんだけど……お風呂くらい、いいよね？

紙には、何名かの名前と顔写真、それに見合うのであろう金額が書かれていた。

不思議そうに首を傾げます。

真っ赤になって焦ると、慌てて謝罪します。
出生のことにまで踏み込むのは、言い過ぎたと思ったようです。

戦争、という言葉を口にする時、アムルは、とても恐ろしい怪物を口にするように、わずかに声を震わせます。

王のことも、一揆のことも、ネクターのことも。
自分たちの目で確かめるまで、なにも分からないままで、進むしかないみたいだと、溜息一つ。

普段実年齢より幼く見られるロベリアは、ここぞとばかりに背筋を伸ばして胸を張った。

ティアラの話を聞いた後、感心したように頷いて

解決、するといいね。と笑って

そう言って黒い直方体に触れかけた手を止める。俄には甘味だと信じがたいようだ。伸ばした腕は見た目の華やかな一つを摘み、口元へ。

口に入れる前にはまじまじとその意匠を眺める。そしてその外見を満足するまで眺めると、半分を噛じった。

この言い分では、2人が博識なのか無知なのか分かったものではない。

多分慰めのつもりなのだろうが、慰めになっているのかは謎だ。

失言だと思ったのかもしれない。
少しぎこちなく取り繕ってみせる。

一方トガノはあくまでマイペースだ。
元々こういう性格なのかもしれない。

何故か、先程までと比べて歯切れが悪い。

かと思いきや、ハルは急に多量の言葉を2人に向かって投げ掛けた。
またトガノは言葉こそ発しないが、目を細めて不機嫌そうな表情を浮かべている。
2人のその目は…真剣だ。

少しハルの様子がおかしい。
急に黙ったまま、目を閉じ続けている…