ほんの少しだけ、立ち直れた感じ。

私は姿が変わっても、私で居ればそれでいい。
私は自分の力を怖がらずに、自分の意思で振るえばいい。

それだけでいいって、お友達から教えてもらった。


でも、やっぱりちょっと怖いから、自分からは言えないかも。
みんながみんな、蓮華くんみたいに受け入れてくれる人たちかどうかはわかんないから。
信頼してないっていうわけじゃなくて。

もう二度と嫌われたくないから、私が踏み出せないだけ。
本当は私が自分のことを知ってるってこと、隠し通したい。
バレたら怒られるかもしれないけど。
それでも私は、自分から他の人には言えないんだ。

ただの、怖がり屋さん。

地面にふとあいた穴から、ねこだかもぐらだかよくわからないなまものがのぞいている。

小動物が服のすそ目掛けてとびかかってきた！

視界のむこうではうろうろと何かを探すヒトがいるようだ・・・。

少年は疑問顔で尋ねる。
少年の住む地には髪を染めるという概念がもしかしたらないのかもしれない。

少年は少し何かを考えたようだが、苦い表情と共に首をぶんぶんと左右に振り始めた。
嫌なことでも思い出したのだろうか。

少年が特に何かをする様子はないが、球体は相変わらずその場に居座り続けている。