《七通目の手紙》


久しぶりに・・・もしくは、はじめて、わたしは同族と出会いました。



このメルンテーゼにきてから、ずっとわたしに力を貸していた、蜘蛛の呪い。

その源になっていた、この世界にいる“同族”です。

“同族”のことを説明するには、わたしの祖。お母さまを産んだ、蜘蛛の神さまの話をしなければいけません。

蜘蛛の神さまは、いまはもう失われてしまった、かつての蜘蛛の王国を再建させるために、たくさんの自分の分身を産みました

王国を再建する使命を受けた、神さまの子供たちは、あらゆる世界に向けて放たれました。



わたしのお母さまは、その一人です。

お母さまは、種族を繁栄させる方法として、他の種族の交流することによって、能力を吸収していく力が与えられていました。

そうして生まれたのが、わたしや、わたしの兄弟、姉妹たちです。



そして、この世界にも、蜘蛛の神さまの子供が、おとずれていました。

それは敵を害する呪いをもっていましたが、メルンテーゼの世界がもつシステムに破れて、エンブリオにされました。

エンブリオになったそれは、どのような者にも協力することを拒んで、世界の暗がりに潜んでいました。

ですが、この世界を訪れたわたしに目をつけて、力を貸すことを選んだようです。



その呪いは、戦う力のないわたしには、役に立ちます。

ですが、話をした限りでは、あまり、気持ちのよい方ではなかったようです。

興味深々のようだ。

相変わらずペラペラと余計な事をしゃべってる気がします。

沈んだ表情になったのを見て親の話はダメだったのかなと内心慌て

そういえば蜘蛛って子供産んだら・・・人と交配できるぐらいだから力は強いんだろうけどともやもや

燃やされたり、封印されたり・・・種族の壁って大きいよねーなんてことを言いながら

しゅるるっと軽くまとうように尻尾をアムルちゃんの方へ寄せる
もふもふふわふわ

そう言って微笑みながら、握手に応じるエレネ。

と言いながら、なんだか照れている様子。

アムルの頭部を見て、苺香は驚いた様子。

しばらくじーっと見つめた後……

苺香はオトコノコ的な趣味の少女でした。

アムルの頭から手をどけると、そこにメンタイが乗り

メンタイがなではじめた。

器用に体をくねらせて、アムルのフードの上にぽふり、と着地して。

まるで誕生日に新しい人形を買ってもらった少女のように、顔を近づけてノノのことをじっくりと観察するのでした。

魔女は肩をすくませ、さらりとその一言を発した。

そう言いながら喜んでるイグニをなでなでしている。