「なぁんだこれ・・・・・・。」
とある夏場の水辺。一揆、反乱の名のもと、あつまったはずの人間、獣人、エルフなどが水着ですごし、兵士らしき者が半裸になって水浴びをしている。この暑さとはいえ、あんまりな事態。緊張感も危機感もない。

異世界を渡り歩いたとはいえ、元々は冷涼な地で生まれ育った身。そのうえ、武器や道具を隠すために厚着していることもあって、精神的にも身体的にも参っていた。

「くじけてたまるか・・・故郷の仲間や同胞たちが、助けと成果を待っている・・・ッツ。」
目に若干危なげな光を宿しながら、人知れず兵士を捕縛し、資源を確保していく。日本の斥候と思われる者を捕獲していくこと、そして遠方で日本軍を引っ掻き回している分身や、本体への連絡も忘れない。

「ウクク・・・アハハ・・・あひゃハハはははは・・・ッツ。アイツラもワタしも、どんどん消えてく。ドンどん、どんどん・・・師匠、ごめんなサァい。おろかな愛でしで。でももうすぐ、貴方の裏切りモノがぜんイン消えます。ワタしもアイツラも。あひゃはやじゃあひゃひゃひゃ♪

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・あつい。」

急に自分の姿に化けられて、緊張します。

いくつか心当たりはありますけれど、と口にしますが、断定するのは難しいし、それを望んでいるわけでもないのでしたら。
そう言って推測を口にするのはやめてしまいました。

エンブリオの話については、ふむふむと深く頷いた。