ネタが無いので　某所で集めた三題噺。

『タケノコの里』『メギド』『お願い』


この世界での冒険にも、それなりに慣れてきたと思ってたんだけれど。
この間はオークとコボルト、それとウサギの混合ＰＴを相手に見事に敗走。
何が悪かったのか集まっての相談中。

「ダメージを固めすぎたんじゃないですか？」
「確かに、ある程度のオーバーキルが必要な相手だったけれど、重なりすぎたかも」
「……相手を狙うの、難しいね……」
「あ『タケノコの里』とって」

「防具も新調しないといけないかもね」
「そうですね……俺達全員の耐久度も上げておかないと」
「もう少し、立っていられれば……ごめん」
「そこのジュース取っ手くれるかい？『お願い』」

「ご主人、まともに反省会やってますか？」
「卍人、真面目に反省会やってるかい？」
「……卍人、真剣？」
「あはは、やだなぁ……僕は真剣だよ？
　大体の課題は、さっきの二つがメインになるからね。
　そうすると、後できるのは僕ら自身の能力の向上くらいだよ。
　不可能じゃないけれど、これには時間がかかっちゃうから現状での優先順位はそんなに高くない。……必須だけれどね。
　次に防具の新調だけれど、お金が無いんだからこれは据え置き。精々が良い材料を溜め込んでおくくらいだろう。
　とすると、戦術でカバーしていくしかないよね。
　だから、今回から僕も前線に出るよ。少しでも他の皆のダメージを分散させておかないとね。
　これで勝てば、お金が入るから防具も手に入って、勝率も上がる。
　そうすれば余裕をもって、個々の訓練もできるからね。
　これは貧乏に対する『メギド』の丘。　つまり、最終戦争、ハルマゲドンさ」

「ご主人、長々と喋りましたけど……それって、要するに　根性で耐える　とか　殺られる前に殺るって事ですよね？」
「そうとも言うね。
　仕方が無いから前倒れて行こうよ、この際だからね♪」

自分で言っててなんだけれど、なんだろう　このデス・マーチ的な戦術……。
ああ、貧乏が憎い。

＞卍人さん

先ほどから赤くなったり蒼くなったりと忙しかったが、そろそろ正常な顔色に戻ってきた。

＞ご主人

小さく肩をすくめ

＞ルーチェさん

哀れみの瞳で表しながらティシアの腕の上からそっと肩に手をあてた。

　　　　　　　(遠い目)

この子本気だ

ミアンヌは契約主のことをすっかり無視して話を続ける。

魅惑的な・・・ある意味挑戦的な、色のある笑みを浮かべた。
ため息をつきながら、傍にいる男は言った。

それは多分、”誤解”ではなく、ただの”誤り”なんだと思う。

もはや主のことどころかナレーションですら聞き流す彼女。

そして契約主のはずの男は、（自己紹介すらできずに）完全に脇でツッコミ役と化していた・・・。