おつかれさま。皆のお陰でどうやら切り抜けられたよ、ありがとう。
しかしあのゴーレムはずるいよなあ、勝手に列移動するなんてさ…

……シア、それ、連れて来ちゃったのかい。
きみのエンブリオ？

……あれ、昨日何やったっけ？

あっくん…　もしかして夏バテ？
好き嫌いばっかりしてるから〜

ま！ツラかったらろろむさんに言ってね？
いいクスリあげるよ！

未知の材料を拾うとわくわくする。
いざとなれば自分で調べられるというのが尚更わくわくさせる。
今日は何を拾うのかな。

まさか

…カダイエは全ての者を幸福にするだろう
だが、俺とオリガの幸福は違ってしまった
俺が幸福ならオリガは幸福でないし、逆もまたしかり、だ

…はは、さすが魔女様
分かってるじゃないですか

俺は誰もそそのかしてないし、皆自分の意思で動いている
そう思ってない奴はいるかもしれないけどな

一揆だなんてやってる連中もそう変わらないだろう？
どうせどいつもこいつも、ネクターを奪われたからここに来てる
奪われる前に奪うのも、奪われてから奪い返すのも似たようなもんだ

それに、聞いた話じゃ人を襲っても金さえ積めば無罪放免らしいじゃないか？
それも負けなきゃ払わないで済む
そうリスクがあるとも思えませんけどねぇ？

…誰かに殺されるなら、ただ殺されればいい
そこに不満はありませんよ
簡単に殺されてやる気もありませんけどね

……得意じゃない喧嘩、か。

はあ。

そうだな。
やっぱり私は争い事に向かない気質だ。
意地を張るのはやめにしよう。
何より、面白くない。

ビブリ君に直接言わなかったのは、
僕自身が、僕の好奇心でビブリ君を利用しているかのように、
ビブリ君から思われたくなかったからだよ。

ビブリ君から過大評価されていたイメージを、
折角だから保っておきたかった……という、
つまらないプライドかな。

僕はなんだかんだでビブリ君に、
教樹と呼ばれ、尊敬され、
慕われていることにそれなりの、
幸福を覚えていた……。

認めたくないけど。ま、でも、
ビブリ君の言っていた通り、
ユディタ君にこういう話をしてしまった時点で、
僕としてはそういうものが無くなってしまってもいいと
むしろ早いこと、無くなったほうがお互いの為だと思っていた。

どこか僕の中で、
そういう風に、立派な教樹と慕われて
尊敬されることに対するプレッシャーから
解放されたいという気持ちもあったから。

僕はただの研究者に過ぎない。
教え導くことなんてできないし、したいとも思わない。
だからビブリ君が抱いているそういう幻想を、
打ち壊したかった……

のかもしれないね。

しかし、ユディタ君はまるで心理カウンセラーだな。
君は君の森に訪れた迷い人に、
こういう問答をするのが生業だったという訳かい？

は、はあ………

魔女さんも変わった方なんですねえ……。
私が私のためにしたいようにする、
っていう言葉が聞きたかったなんて……。

魔鉱石は確かに欲しいですけど……
けど、人の世界の資源に度を越して手を出したら、
それこそ泥棒ですよ！

それに、研究に使うだけなら、
そんなにたくさん必要はないんです。
そもそも、石をたくさん持ち運ぶことって、
かさばるし、個人でできることじゃないですしね……。

せっかく君だけの名前があるのだもの。
その名前で呼びたいよ。ユディタ。

どんなもの……ええと……。
そうだ。ねえ、君には、虹は何色に見える？　5色か、もしかしたら6色かな。
でも僕にはね、もっともっとたくさんの色を見ることができるんだ。
どういう色かを、君にわかるように説明するのは、とても難しいのだけれど……。

ふふ、だって、閉じこもっていては、外にあるたくさんの美しいものを見られないじゃないか。
それに、君に会うこともなかった。

本当に？　ありがとう。
あんまり大きなサイズのものは少ないから、気に入った絵があったらよろしくね。
ううん……君が僕の名前を聞いてもわからなかったのだから、僕は有名ではないのだと思う。

ふうん……。あまりいい思い出ではないのかな。

ああ、人を刺す感覚なら、僕にも少しはわかるよ。
刃物で肉を刺したわけではないのだけれど。
でも、死の直前の気持ちか……。そうだね……それも……。

ううん、いいんだ。気にしないで。
楽しいのは本当だもの。

ふふ、なるほど！
私の宝石箱とかにも応用できそうですね……

かもしれないですね。
もしくはこれ、板から電球みたいなのを点滅させてるとか……？

そうですね、モノ作りの腕を磨くにも、
装備を買うにも大事ですからね……

宝石が変化したもの、ですね。
ある程度の性質は元の宝石次第で決まるので、
そういう意味では量産もできるのがいいところですかね！

んん、どうなんでしょうね？
変化させてからいつもお渡ししてるので……

ちょっと変わった魔術なので、魔力より知性が大事かな？
って思ってます！

うん。もし、わかったら。

わたしと違う、でもわたしみたい、……？
野菜じゃない、草の子、とか？

植物園でね、そういうひとも、見たよ。
お花のおねえさんとか、いたの。

うん、たしかに、ぜんぜんわたしとは、違ったな。
なんだかきれいで、きらきらして、にこにこしてて、あと、えーと、
ンー、

セクシーー　だった。

あ、お話……　おうちに来たいの？
あのね、それ、シホリも、トウジュウロウも、喜ぶと思うな。
お外で、友達ができたらいいねって、言ってたから。

ここからなら、村、そんなにかからないのよ。
あすこの、まあるい、たんこぶみたいなお山のふもとにあるの。
道はね、あの白いお花の道をずっと行って……

お話するのならね、二人とも、メルンテーゼ生まれじゃない人、好きじゃないみたいだから、気を付けてね。
あ、でも、魔女さんは違うのかな。

……？　ユディタさん。

お名前、あまり呼ばれないから、思い出すのに時間かかったの？
あんまり呼ばれないって、ふしぎね。

ヒトは、みんな、一人一人ちがう名前があって、それで区別をするのよね。
見目かたち、だけじゃなく、名前でもって、かわりのないその人、を決めるのよね。

お鍋を連れてる魔女さんが、他にいないなら、“大鍋の魔女”さんって呼び方で、不便はしないんだろうけど、
わたしなら、ユディタさんのこと、ユディタさんって、呼びたいな。

おどろいたの？
わたし、だって、野菜だもの。
野菜はね、食べてもらうために、かけあわされて、育って、実るのよ。

おいしい、って言ってもらうために、できた命なの。

……あ。びっくりさせちゃった。のかな。
ごめんなさい。いたくないの。大丈夫。

だって、お野菜が、食べやすくしてもらってるときとか、お口の中に入ったとき、

「いたいよー　いたいよー」

って思ってたら、いやでしょー。

わたし、おくすりになるかもしれないの？
すごいねえー、考えたことも、なかった。
もし、役に立てたら、教えてね。

はは、主などではないよ。わしはあそこを最初に見つけたというだけで、
ぬしらと同じく遊ばせてもろうておる身じゃよ。本来のヌシは別におるし。

大鍋の魔女、とはなかなか変わった異名じゃの。
しかしまぁ確かに鍋を傍らにおいておるなら、不思議ではないのかね。

ならば魔女と呼ばせてもらおうか。名で呼ぶのにあまり慣れておらぬゆえ。
わしは白詰ノ密。別に釣り堀の主のままでも良いが、少々呼びづらいであろ？

おぉ、便利じゃのー。
繋がっておるなら、家にあるものを出したり倉庫代わりに使ったりもできるのかね？

なんじゃ、少しくらい味見させてくれてもよかろうに。
まぁ作りかけなら仕方ないかの。出来たら少し分けてもらえると嬉しいがね。

僕以外は本気だったんじゃないですかね？あの男なんて次会ったら殺す、とか思ってそうですよ。死なれても困るので、近寄らないようにして下さい。

……そのまんまじゃないですか。しょうが無いでしょう、仕事なんですから。

境遇が違ったら……そんな残酷な想像させないでくれますか？

やっぱり、貴女、友達が少ないんでしょうね。その性格では。

僕だって感心してないですよ。やめれるものなら、一揆なんかにも参加せずに、家に帰ってますよ。

黒い森の魔女様に心配していただけるのはありがたいですが、それは心配する者の言葉ですかね？

新王側が一揆勢を皆殺しにしろとおふれを出しているならともかくです。賞金などをかけるのも、ただの反乱者でしょう。殺してしまえば、そこになんの正しさもない。

それに、あの男が罪で裁かれるべきならば、僕も同様に裁かれるべきなんですよ。

私情で処刑を行えば、僕はただの殺人者になってしまう。それも、沢山の人間を殺してきた、ね。

それに、別の世界に行ったところで身寄りのない女がどう生きろと。体でも売って暮らせと？

あまりその言葉は使いたくありませんが、仲間ですよ。生きるために、奇跡に縋って聖職者になるような男ですよ。

ところで、天使病って知っていますか？ユディタ

どうかな、そろそろ慣れてきたつもりではいるんだが……
まだ驚くこともあるかな。未だに見たことのない素材などを見つけると
珍しがって仲間を困らせることもあるしな

ああ、次回はきっと、ちゃんとした練習試合ができるだろう
ヘクターも落ち着いたようだしな……
そのときはまた宜しく頼むよ

うーん……座標、か
いまいちピンとはこないが……なんだろうな
世界同士が繋がるきっかけをもう少し探ってみるか

ユディタも調べてくれるというならこれ以上頼もしいことはない、ありがとう

勇者の話か？
俺の世界は封じられた邪神が3柱いるという伝説があるんだが、
その封印が解けかけるような事件が多いようでな
邪神を目覚めさせようと眷属が動いてるようなんだが……
そんな事件のうちの一つを収めたんじゃなかったかな
俺も一度、解放されかけた邪神を仲間と共に1柱封じ直したことがあるが……
なんせ太古の昔から何度も邪神復活と神々の戦争、そして世界の作り直しが
何度も繰り返されているというからな……
神々の戦いによって滅びた種族の遺した遺跡なんてゴロゴロしているもんだ

話を戻すが、その勇者が元の世界に戻れたかどうかまでは聞いていないな
戦いによって救い出した女性を嫁に貰って
ふたりで幸せに暮らしましたとさ、という程度の昔話ならよくあるが
元居た世界に帰った異世界の者はいたのだかいないのだか……
すまないな、実りのない話ばかりで

ん……ああ、俺も元の世界では人間に属す。
こちらの世界では耳の尖った者は人間に入るのか解らないが……
俺の世界では神々に祝福された種族が人間に属すからな
他にも身長の高い巨人族や動物のような耳や尻尾の生えた種族、俺の半分ほどの身長の小人族などもいるが皆人間と呼ばれている

外見の異なる者を見たら誰だってそれなりに興味を持つだろう
その程度なら俺は気にかけない
尖った耳も俺は悪くないと思うんだが、やはり目立つかな……？

森育ちとはいっても、15年程度しか居なかったんだがな
森といっても森に囲まれた集落、といったほうが正しいような気もするし
その後はしばらく冒険者として各地を転々としていたから、ユディタのように森の中で森の恵みを調理して、というわけではないな
俺もそういう生活をしたら森育ちっぽくなるだろうか……

では、良い食材が手に入ったらうちの料理人より先にユディタに頼もうかな。

君たちの動きはだいたい判った。
せいぜい利用させてもらうから、勝手に死ぬんじゃあないぞ。

"アヴリラル　メルンテーゼ……

　ドーラ　プロドプロイ
　ケットシール　トルチュ
　ヒクシール　ヒェロナ
　ザントマー　グーイ"
　ザントマー　グーイ"
　ミ・ドラコ　ソルエファー"

……さぁ、始めようか

……なーんか記憶が微妙に曖昧なんだよなあ……。

ま、いいか

１日１回までだよ？

そこの青馬！俺と契約してくれ！！頼むから！！！

あァ？なに、ニーサン。何か用？

あァ？なに、ニーサン。何か用？

あァ？なに、ニーサン。何か用？

我が足音は死の足音・・・・・

我が足音は死の足音・・・・・

ごちそうさま。

……ちょっと手持ちが足りないかなあ

…スッキリした？

やっぱり契約は無理か……。

さっさと先へ進もう。

れっつらご〜♪

前進あるのみ、ってな。

あからさまに置いてある……

きゃっほ〜♡
お宝？お宝？？

こ、これは…。