ENo.2151 パーミル・クレセント

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記録者名　~~パーミル・クレセント~~

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実行

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Diary

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「いきなりですが今回から日記の形式を変更します」

「…」

「前回述べたとおり、どうしても文字数が足りなくなるのが原因」

「そんなわけで、今回から第何話の○○シリーズの何回目であるかを書いていきます。」

「…」

「それでは第11話過去話クラリス編3回目よー」

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11話　過去話クラリス編-3

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オレは狙われている。
先日からちょろちょろと小さい影が纏わりつき辟易している。

「なあ、止めにしないか」
溜息をつき、背中に張り付いた影に提案を投げかけてみる。

「だったらこの間の稽古つけるって約束を果たしなさい」
普段は表情をあまり見せないこの国のお姫様が形容しがたい形相で睨んでいる。

（もう少し理知的なヤツかとおもってたんだが…）
どうしたものかとまた溜息を１つつき、はぐらかす方法を思案を巡らす。

「あれからどれだけ経ったと思ってるのよ」
「一週間ってところかな」
「二週間は経ってる！！」
適当に答えたのが溜まった苛立ちに火をつけたのかギャンギャンと喚かれる。
正直、どうしたものかと小さな姫様の御付の元近衛…今でも一応は近衛らしい…に視線を送る。

「…」
「…」
いつもの張り付いた笑顔が待っているだけの無為な動作に終わる。
この間にも餌を待つ雛鳥のようにぴーちく喚いておねだりを繰り返している。

「稽古くらい、つけてあげればいいんじゃない？」
メガネを掛けたエルフが何の気は無しに適当に場を凍りつかせる。
オレとパーミルとが両極端の顔色で振り向いた。

…
……
………

「まず気配を探るところからはじめようか」
「気配？」
「なんでそこから説明する必要があるんだ」

今日は非番。
英雄姫と祭り上げられているパーミルに明確な休みはないのだが、
なぜか（恐らくは元々バリントンに仕組まれていたのだが）オレとパーミルとバリントンとアデーレが休みだった。
アデーレの余計な一言で致し方なく、この間の見えるのに見えない原理を説明しようとしたのだが、

「ああ、無駄ですよ。姫は自身から直径500mの円上の視界内であれば完全に視界を遮断する方法が無ければ遮蔽物の向こう側から見ることが出来ますので」
「話には何度も聞いたが、そのせいで流れを読むってのが出来ないんだな」
「流れを読む？」
「んー…姫ちゃんはどういう風に狙撃してるの？」
「どうって…見えるから当たる様に撃ってるけど…」
「…」

眼が良すぎるというのも困りものだ。
見えない、ということがわからないなんてことはまずありえない。
パーミルからすればオレたちは盲目同然の視界しか持っていないことになるらしい。

「ま、いいや。眼をつぶれば人並みに眼は見えなくなるんならそこからだ」
「はーい」
良くわからないが素直だ。こんな受け答えをするようなヤツだったか…？
相変わらずニヤニヤしているバリントンが妙に気になるが見なかったことにしておこう。

「ここから誰がどこにいるか、どう動いているか気配だけで探る。氣合わせをするとオレの流派では言うんだが」
「…できっこないって」
「普段から眼に頼りすぎだからだ」
ふと思いついて一旦離れてから別方向からつついてみる。

「…！！」
案の定、異常に怯え子供でもしそうに無いほど跳び上がる。
…それでも眼を開けないのは素直なのか意志が強いのか。

「姫が幼い頃には超能力者だと考えられていたのは空間の把握能力の高さゆえでした。テレポーター並の知覚力があったからですね。脳の造りそのものが”巨視”に適応しているんですよ」
「にも関わらず、超能力者ではないと断定されたのは今のが原因か」
「本物のテレポーターなら暗闇を恐れないはずよね」
「？？」
パーミルから離れて三人で検討していると、不安になってきたのかオロオロしはじめる。

「見えないことによるストレスが凄いらしいですね。気配を探ると悠長にしていられないでしょう」
「なるほど、わかった」
盛大に溜息をつき、バリントンのニヤニヤ面の意味を理解した。
「マトモな方法で教えられないのをわかっていた黙っていたな、オマエは」
「木霊法を教えれば、やり方は伝わるとは思ってますよ」
木霊法ね。出来れば教えたくないんだが。
そろそろ立っていられなくなったパーミルがぺたんと地面に座り、はしたなく乱れたスカートを見かねたアデーレが直しにいくと縋り付かれている。

「戦場でああなられるよりはマシか…」
「私は可愛いと思うんですが」
コイツは忠臣というより、ただの姫フェチなんじゃないだろうか？

…

「というわけで、気配を探るのではなく掴む方法を覚えよう。この間の木霊法、覚えてるか？」
「名前だけしか教えてもらってないけど」
「あー…そうだったか」
「クアトリスで最も流行った剱と言われていますね。今では法律で教えることを禁じられてさえいますが」
「一般の認識はそうだ。現在の使い手はライドウ司教を含めて五人。その五人が２〜３人の弟子を取ってるから２０人もいないってところか」
「しつもーん。なんで最も流行った剱っていうのに今は禁じられてるのかね？」
「いい質問だなアデーレくん。木霊法はクアトリスで起こった退魔の剣。明確には退魔の剣の中の木霊法と呼ばれる技でしかなかったんだが、代名詞となったってのが実際だ」
「木霊法が禁忌に触れたゆえに禁止されてしまったというのが秘される理由ですね」
「バリントン君。良く知っているな。その話はあまり触れ回っていいことではないから他言しないように。普通は知らないことだしなというか何で知ってるんだよ」
「…」
ぽんぽんと飛ぶ会話についていけないパーミルが黙ったまま話を聞いている。
あまりわかってないようだがささっと説明してしまおう。

「退魔の剣は魔物がまだ跳梁跋扈している時代にはとても流行ったが、所詮元々は人対人の間で生まれた剣。人体とは違うモノを相手にすれば急所も戦い方も大きく変わる。魔物との戦いが激しくなると退魔の剣は木霊法を作り上げた。それは魔物の戦い方、技を吸収し我が物とする業の剣だった」
「…そんなこと可能なの？」
「初めは人型の魔物の技を奪うところから始まり、魔物の呼吸を知り、氣の流れを掴み、人外の力を会得する段階を上っていったそうだ。より強力な魔物と戦い力を得た木霊法の使い手はそれはそれは強かったという」
一旦言葉を切り核心へと話を繋げる

「強い魔物を倒せるほどの人間が現れ、魔物を退けるようなれば今度は人は人と争いをはじめ、戦争に木霊法は使われた。人が魔物の技を使うようになれば、魔物と人の区別は無くなる。魔物が生来持つ力を、魔物が人を打つために作り上げた技を、人に向かって放てばそれはもう邪剣や魔剣の類にしかならなかった。より効率よく人を殺すための剣が出来上がっていたのさ」
「多様な魔物の技を使う人間と相対すれば、人知の及ばぬ挙動を行い見切ることもできずに打ち倒されるでしょうね。そんなことが出来るようになった人間が果たして人間と言えるかは疑問ですが」
「完全に模倣できずとも自分の技に昇華すればいい。一度の斬り合いで見切られなければ、刃を避けられなかったものは死ぬだけだからな」
「でも、それじゃあ木霊法で魔物を倒しても人が魔物になったら、魔物なんてへらないんじゃない？」
「だから禁止された。実際に技を試すために人斬りになったものや、魔物の本質まで得てしまって狂った人間も多くいたという。魔を退けるつもりが魔道に堕ちる。ミイラ取りがミイラになったわけだ」
「そんな危ない剣技がいまだに残っているほうが驚きですね」
「木霊法そのものが悪いのではなく、制御できない人間が使うから暴走する。現存する使い手は全員が国に認められた剣客だけだ」
「…つまりクラリスって国の偉いさんだったの？」
パーミルの素朴な疑問に数瞬の間が空く。

「いや、オレはただの孤児でただの傭兵だ。ライドウ司教に剣を習っただけのな」
「ふーん。それで、なんだか横道に逸れた気がするんだけど気を掴む方法はどうなったの？」
「木霊法の修行をする。基礎を学べば後は何とかなるだろう」
「…私は剣の修行をしたいわけじゃない」
「他にいい方法が無いんだから仕方ないだろ」
眼を向けてみればバリントンがまたニヤニヤしていた。
気づけばアデーレはもういない。

「バリントン…オマエ、自分で教えれるのを面倒くさがったな」
「いえ、私は姫に教えられるほど物を修めてはいないですから」
いってろ。
軍国主義で化学技術を持つセルフォリーフにいながら剣で近衛をやれるマスタークラスの言うことか。

ともあれ剣の修練を渋々承知させ、しばらく仕事を返上で稽古をつけてやったのだった。

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現罪

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記録者名　スウォッチビート

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I・DOLL?

記録者名　　ミル

3...2...1...!!

ネオトキヨーエフエム　ニューアカサカスタジオにあるFHproのラジオ放送施設。
その一角を勝手に間借りして放送を開始するゲリララジオ…
FHpro公式ラジオの本放送について語ったり、アイドルの本音がこぼれる裏じおが配信されている

『さて、今日の一発目！』

……

「ホワイトデー放送〜」

「…」

「私のところにバレンタインデーのチョコは来なかったから送らない」

「…」

寂しい放送だった

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管理ログ 012

キャンベルによるデータ蓄積

　・スウォッチビートの過去
　・過去にアイドルのように扱われていたことがある(してるようなしてないような)
　・アデーレの捜索（未話）
　・アイドルをおやすみしていた時のミル姉さん（ラジオ）
　・救援活動

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救援記録

013

「…」

「うん、街に居ついて何もしてない」

　　　　　　　　パーミル・クレセント

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管理ログ014および救援記録014

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