「いっきにっき　ばつ　まる　にち」

　ふーきというものにてつだってもらった。

　すごいけんさばきだったけど、あるじさまほどではないよね！

　でも、けいやくしてるみんなもふーきとなかがよさそうだった、たくさんいたしにぎやかだったな！

　なんでもあるじさまがれんしゅうじあいをさいごにもうしこむ(ぐりぐりと何度かかき消された痕がある)

　ここからさきは、意味不明な文字列が続いている………
　
　」 」 」 」」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」
　

　がちゃり、と扉が開く音がする。いつもは夜でも騒がしい宿屋だが流石に夜も半ばなのかそんな声は一切聞こえてこない。扉を開けたのは東だった。今日は新しいエンブリオと契約した事もあり、色々と話すこともあったのだ。珍しく遅い帰宅になりそうでルークと紅月、お目付け役にウルフを先に部屋に帰していたのだ。それでもまだ彼にはやることが残っている、眠気覚ましのコーヒーをキッチンに向かい準備し、ふとベッドに目をやるとそこにはルークと紅月の影がなかった。
　ウルフがお目付け役と居る以上ヘタにどこかに行くはずはないのだが……と、火加減を忘れないように調整をしつつ部屋を見渡す。
　
　・・・・・・
　・・・
　・
　
　——居た、それも目の前にだ。
　

　「……あらまァ、また派手にやってくれて」
　
　ぽつりと深夜の宿屋の一室で東がため息とともに言う。彼は日課の日記を書こうと机に向かったら、そこにあったのは最近拾ったエンブリオのキラーウルフを布団に机上に器用に寝転がっている紅月とルークだった。ウルフは東に気が付くとなんとかしてくれと言わんばかりに小さく一声鳴いた。
　
　「……こりゃー、新しいヤツとの歓迎会はまた後日になりそうだなァ」
　
　くつくつと笑いながら、両脇に紅月とルークを抱えベッドへ運ぶ東の姿は妹の世話を見るお兄ちゃんのように見え。
　ウルフは可笑しそうに鳴くのだった。

あなたの通信符に反応があった。
どうやら以前共に砂地を進攻したフーキ・イートンからの通信のようだ。

そうして、練習試合の取り決め等を互いに了承した後……

歯切れ悪く少女は言う、がすぐに調子を取り戻し、言葉を続ける。

ふふ、と笑い少女の口が一度閉じられる。

軽口を叩いていた少女の口が閉じ、少女にしては珍しく真面目な声で言葉が紡がれる。

声のする方を、振り向くと一人の少女…最上文が目にうつる

と少女は嬉々として、鉄の指揮棒を振り回している…
…こんなところで、振り回すのは迷惑な気もするが、特にほっておこう…
そう思っていると文が、話を続けてくる

「炎上姫？」とつぶやいたところで、文は立て続けに話を続けてくる

自分が東より知ってることに優越を感じたような顔で、文は更に話を進める

ふらりと角から夜を切り取ったような服の青年が現れる。

無表情を崩さないまま手を頭の横まで上げる。

口許に僅かに驚愕の色を浮かばせながら暫く考えた後、その人間は言った。

ぐりは通信符を取り出し、アズマの声に答えて

私は勇気を振り絞って彼に話しかける。

おそるおそる、ここにきてからの初めての拾い物を持ち主のもとへと返す。

もう十分だろう。そう思った私は逃げ去るように彼から離れ、去っていく。
その時落とした、『スカイの財布』の気づくことなく……