山の険しさをなぞり、
煌く星屑は足元を照らし転がり落ちていきました。

ぜえ、はあ、と息を切らして、
ミュエリは一度足を止めます。

「大丈夫か？辛かったらおぶってやるぞ？」

リヒトが声をかけてくれるのが、
とても心強い、と感じます。
リヒトも、ソーニャも、つらいだろうに気遣ってくれることが
何より嬉しかったのです。

そう　まるで

まるで、
サァカスの人たちと、居るみたいに。


<D>


「あ　　れ」

だいじょうぶ、といおうとした口が
うまく動かず、
咽喉の奥がなんだか熱くなりました。

うまく笑えたかどうかは分かりません。
酷く胸が　あたたかくなったのでした。