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装飾品を作製した風斬東との一幕

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レーネフィア記　Af.5017.2D.25,世界移動から七日目

この前の水辺で出会ったエンブリオ、セイレーンは私にとって理想的な成長傾向を示している。
技が今のところ貧弱なのが問題だけど、他のエンブリオの技で補えば問題はないだろう。

むしろ問題は練習試合だ。
初手で集中攻撃した相手を落とし切れず、そのままズルズルと敗北した。
……原因はわかっている。火力不足だ。
他のパーティの火力不足は自分でどうにかしてもらうとして……、
そろそろ、少し考えるべき事ができてきたかもしれない。




そういえば今日、ネロにドールの取り扱いについて聞かれた。
どうやら、私のドールが自律行動している姿を見たのだ、という。

……うちのエンブリオは、うぃすぷさんを除いて勝手に動いたりはしない筈だが……。
後で調べてみる必要があるかもしれない。
……うぃすぷさんみたいなのが増——、

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つい自分の中での確認のつもりで話してしまった。
……他人と話すのだから、きっちり情報は伝えなければ。
日頃ヘイアンやフィアとしか話さないからこうなる。

まあ話に出たから、彼女の言うように城下町へ向かうべきか。
そこならばお茶ができる店もいくつかあるだろうし。

一瞬、敵の攻撃かと思った。庇いそこねたか、とも。
だが、彼女から『エンブリオ』だと紹介され、唖然とする。

全く考えてもいなかった形ではあるが、新たな情報だった。
……彼女には悪いが、掘り下げさせてもらう事にしよう。

突然目の前の吸血鬼が電撃に打たれたので更に混乱する。

なんかもう必死に「私は敵じゃない」アピールをし始めた！

少女の呼び掛ける声が響く。
なれど、その探し人は明らかに己の事に在らず。
特に気に留めることも無く、フィンヴェナハは歩き続ける。

後を追う様に、声と靴音が足早に聞こえてくる。
やがて少女が間近に近付き、姿を現すと、ようやくフィンヴェナハも歩みを止めた。

少女の名乗りと問い掛けに、黙って耳を傾ける。
数秒の思案の後、口を開いて答える。