「一揆生活　††日目」



　まさか、負けるとはなァ。
　敗北の味は、美味いなァ。くくっ、美味い。次は、勝つぞ？
　一目見ただけでも大分俺達との差があったから妥当と言える結果か。あの姫様もこの間持っていた剣ではなかったからなァ、怖い怖い。しかし、おかげで大分改善点が見えたな。装備の作製、か。戯れに作ってはいたが——そろそろ本腰を入れてみるか。先ずは何にせよ情報、か。良い武具が作れるらしい砂地へ行くのも手だな……、話だと「ドラゴン」の名がつくエンブリオと契約できるらしい。ならば行くのは確かな手だな。ふむ、では造りつつ向かうとするか。
　
　さて、あと書くべきは新たなキーである「装備」の事か。くは、どこぞの「装備は装備しないと意味がない」か。
　もっとゆっくりこの世界に慣れていきたかった所だが、どうやらPK—一揆を行っているメンバー同士での戦闘—が各所で始まったらしい。今の俺達は、大分不利と見える。狙われないように早い所仕上げてしまわないとなァ。新たな課題か、ほんっとうに久しぶりに愉しい世界だ事で。
　
　ああ、ネロは平原へと向かうらしい。噂じゃ次は「兵士」と鉢合わせるらしいのだがなんでもこの間俺が武器を戯れに作った相手との契約が済み、裏道から平原へ進むことを決めたとか。アイツが求めているエンブリオはあちらにあるらしい。何やら慌てて行ったせいでアイツの武具を作るのが間に合わなかったのだが……大丈夫なのだろうか？ま、ネロなら何とかなるだろう。あの武具の持ち主も力は持って居た様だしな。それに、花音もついて行くらしい。無理をしなければ負けることはないだろうなァ。
　

　……しかし、平原か。何やら危ない噂を聞いたが、無事に帰ってくるといいなァ。
　

くす、と笑って