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○月×日　SummerVacation翌日
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　たんぽぽ荘の一室
　深い眠りから覚めてみると、もう既に、太陽は頂点に達しようかというところまで高く上っていた。

　寝過ぎなくらい寝ている筈なのに、昨日の疲労を引き摺っているのか、布団から身体を起こすのも面倒なくらいに、だるい。
　放っておいたら、このまま一日中眠ってしまいそうである。

　とは思うものの、やはりなんとなく身体に力が入らない。
　身体の奥深くに、疲労感が鎮座している。

　布団の中へもぞもぞと入りこむ。
　身体を折り曲げて、目を閉じる。



　…
　……
　………

　気だるい身体を引き摺って、なんとか布団から這い上がる。

　昨日の…花火を眺めていたころあたりからだろうか……
　なんだか急に疲れがドッと押し寄せて来て…
　
　そういえば、なんだかそのあたりからは記憶もおぼろげだ。
　たしか…ロッテちゃんが、私の手を握って……そのあとはどうなったんだっけ……

　…思い出せない。
　ロッテちゃんに何か言ったような気もするけど……

　いくら皆と一緒にお祭りに参加できて楽しかったからって、翌日こんな体調になるまで遊ぶことはなかったなと反省する。

　でも…昨日は楽しかったな……

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○月□日　某時刻
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「あ、うん、ご健在なのかぁ。
　それならご両親から、自分の種族とか、聞いたりしなかったの？」



　エリアさんの言葉が、頭の中に響く。



　言われてみて、思い出した。
　たしかに、私は、聞いたことがある。
　聞いたことがあったハズだ。



　たしかその時、私は………


　そう、あれは私がもっともっと幼いころ…



　思い出せない…
　よく思い出せないけど……



　お母さんにそれを聞いたら…

　『他の子と全然変わらないから、気にしなくていいのよ？』

　って、そう言われた気がする…




　でもなんでだろう…
　その言葉を聞いた私は…


　その時、私は泣いたような気がする……





　なんでだろう…思い出せない……









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○月△日　某時刻
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迷子になった。

　綿毛傘を広げたクーリアの身体がふわりと浮く。
　そしてお互いの視線がぶつかって、ポポロが「にかっ」と笑った。

　こうしてクーリアはポポロと出会い、なんやかんやでタンポポ荘へ住むことになった。



　数日後。
　ポポロが攻城戦からタンポポ荘へ帰ってくると、エントランスでばったりとクーリアを見つける。
　嬉しそうに笑みを浮かべ、小走りでクーリアに近づいてきて、

クーリアが石に触れたのを確認し、"Meria"の力によりほんの少しだけクーリアの力が吸われる
自分の力の流れに敏感なら認識できる程度の量の吸収を確認し
万已楽はクーリアから緑の石を離すことにする

そこまで口にして、ピアは何かに気がついたように言葉を切る。

　海でのこと——その言葉を聞いて、その情景を鮮明に思い出してしまったのか、クーリアはますます顔を赤くする。

両手に持った釵を収めて一息つく。

　ピアの発言に、目をぱちくりさせて、まじまじとピアを見る。

　などと盛大に失礼なことを言いつつ…

　凄い勢いで頭をぺこぺこと下げながら何度も謝る。
　焦りすぎて言語が不自由になっていたが、
　クーリアの勘違いを、ピアは果たして理解できたのだろうか……

ポポロとロッテの姿を認めたピアはそちらに合図を送ると、
すっかり萎縮してしまっているクーリアのほうに向き直った。

　まともに顔も合わせられず、俯いてしまう。
　気にするなと言われて、それができるような性格でもなかった。

　しばらくはこの調子だろう。
　もう放っておこう。

　※カッパにかけられた水です