相手は、急に攻撃されたせいもあり対応しきれず、一人また一人と倒れていく。

私は今回意識が残っていた。ブラックサニーが見せ付けたかったのかもしれない。
人を切る感触も、恐怖におびえるその顔も、目を閉じることを許されず、ただ見ているしかないこの状況。
叫ぶことができたら、たぶん叫んでいたであろう。しかし、見ていることしかできなかった。

最後の一人を倒した後、ブラックサニーは大声を上げながら叫ぶ。そして返り血で塗れた体を見て喜んでいるように見えた。


今はただ、雨の中を行軍していた。
人を襲った場合、相手を行動不能にしたあと、必要最低限のものを奪って逃げるのが一般的である。
第３者が来た場合、相手に加担されてしまうケースもある為、できるかぎり時間を短くして逃げるのである。
また、多数のものを奪うと行軍速度が落ちたり、他の人と会ったときに盗賊ではないかと思われるので、かさばるものは持っていかない。
ルールがあるわけではないが、生きるための手段としてこれをみなが守る傾向であった。

雨の中を歩きながら、サニーはただ泣いていた。
敵ではなかった人を初めて斬ったのである。自分の意思とは反対だったとしても、自分がやったことには変わりない。

ヴェーナーなりの叱咤激励なのであろう。ただ、現状「はい」ということさえ言えなかった。

bkbは、何か満足いかなかったことがあったらしく、終始不機嫌そうに動いている。
うつぼは、この状況を見て終始沈黙を続けていた。

ただ、雨の中を歩く。それだけなのになぜ涙が止まらないのであろう。


その後、私の体をうばったブラックサニーが現れることはなかった。
人と出会わなかったわけではない、何か選んでいるのかもしれない。
森を抜けた私たちは、平原への近道を教えていただけるとのことで、ある人を待っていた。

最恐にして最強、最悪にして災厄の盗賊団『アラビアンナイツ』
そのある人は30名を超える集団を設立した？当人であり、
「麗しき女」の異名をもつ人物である。
ある噂では賞金首として1000PSがかかっているとか、彼女と一緒にいると宝は奪われ、仲間は死に絶えるとか噂が絶えない人物。

名は『シェヘラザード』

人は恐怖と羨望の眼差しで彼女のことをシエラと呼ぶらしい。
びくびくしながら待っていると、金髪の少女が・・・

と声をかけてくる。
思ったより普通の方であったというのが第一印象であったが、すぐに修正される。
この後、圧倒的強さを見せつけるのをサニーはまだ知らない。

深々と頭を下げ、そして笑顔を見せるのであった。

なんだろう？と悩む素振りで

龍は少し思案する様子を見せた。

龍は一瞬だけ、少し寂しげな顔をした。

そう言いながら手元のメモ帳に書き込む

少し悲しげに答える。理想を求めるが故に現実がうまくいかない事がもどかしいのだろう。その表情は少し悔しそうだ

頼られたのが嬉しいのか、先ほどの悔しそうな表情などまったく無く、笑顔で返事を返す。

饒舌に語り出す。最初に英雄譚が来るあたりは流石に男の子か。
そして他国の地図が読めるのがどれだけ平和な事か気付いて無いのはやはり平和な時代の子供故の事か。

プララを眺めながらさっちゃんは尋ねた。

さっちゃんは元気に手を振って見送った。

変態がカサカサと近寄ってきた。相変わらずローアングルから見つめてくる。

去っていくサニーに軽く手を振り返しながら。

2人の間では物々しい会話が繰り広げられていた。
それらの言葉がサニーの耳に届いたかは定かではない。

やさしい笑顔の女性であったが、刀を構えると目の色が変わる