聞きたいことをドン！とぶつける。でも、思ってたよりも手応えがなかった様だ。
そん時は興奮の余り、そんなことを思う暇も余裕もなかったけどな。

それを自覚するようになったのは、嵐の後の晴れ間に領主様が現れてからだった。反省反省。

領主様が現れて、私と兄弟の間で仲介してくれてからはとんとん拍子で話が進んだ。
どうやら私の事を知っていたらしい。私は領主様の事を知らなかったけど、それはここだけの秘密。

咳払いをし、背筋を伸ばして姿勢を整える。
こういうのは初めが肝心だからな。ビシッと決めるぜ！

…
……
………

その後、私等3人以外にも同行者が居る事を告げられ、紹介を受けた。
リドレー、イヨル、ミチエ、賽。一癖も二癖もある奴等の様に思えたが、実力は折紙付きらしい。
が、この4人は私等とは別働隊で動くため、それをじっくり目にする機械は余り無さそうだ。
少し残念だと思うと同時に、アクの強ェとこにブチこまれなくて安心した。

んで、最後に紹介されたのがムゥ。コイツは私達と一緒に行動する、所謂4人目のメンバーだ。
初めて見た時ァ山猿が迷い込んで来たと思って、早く追っ払わきゃと使命感に燃えたモンだ。
その矢先、ソイツが人語を口にしたモンだからマジビックリしたぜ。
『私の人生の中で、ビックリしたこと』ランキング・堂々の13位くらいの出来事さ。

ま、その辺の話は道端に生えてる雑草くらいどうでもいい。

これで、一揆のお時間を楽しむための役者は最低限揃った。
主役の私が頑張りゃあ、脇役も応えてくれるので劇は成立する。
一人気持ちイイ独りよがりの作品じゃねェ。キチンと仕上げれば、道化になる道は避けられる。

ようやく舞台に上がれた事を実感し、1人笑みがこぼす。
私の一揆は、こうして始まったのだ——。

擦れ違い様。ムゥにそう告げて、先に進む。

出来上がった部品をまじまじと見つめる。