最初に纏うのは襦袢だ。白が一般的だが、最近は薄い橙色のものを愛用している。
　その前に、胸の下へ布を詰めておく。
　着物を纏った時に、胸からの曲線がなだらかな丘に見えるように。
　袴装束に限らず、和服は凛と魅せることに意味がある。故に、胸を強調すれば反物の美しさを損なってしまうのだ。
　衿は深く合わせ。胸紐を交差する。伊達締めは結び目が目立たないように挟んで隠す。

　次に小袖。金花模様の若草色。
　小袖は襦袢と重ねることにより、襟元を際立たせる。
　上前を広げ、下前を入れ、余りを内側に折り返す。
　腰の位置を意識しながら半幅帯を胸高に締め、貝の口に結ぶ。結び目は動きやすさを重視したものだ。

　最後に袴を穿く。若紫より代赭への階調を持つ代物。
　床に置いた袴を引き上げ、胸高の位置へ。
　袴の結びは腰の位置ではない。先に布で胸の曲線を調節した位置へ置く。
　半巾帯が少々見えるように。帯結びのに巻きつけながら、折り上げて結ぶ。
　後ろ板で結び目を隠すと同時に、抜き穴へ尻尾を通してピンと張る。
　帯を廻し、右脇から通してさらりと流して結び目とし。

　これが戦闘準備。
　さらりと流れる緋髪をはらい、足袋履く脚で前に進め。

「さぁて、今日も往くかの」

　いつからだろう、衣装を纏うことが戦装束の如く感じられるようになったのは。
　殺し合いを楽しんでいた時期は常在が戦時であったものだが、今は違う。
　自ら歩まねば、何処へも辿りつけぬと知った。

　ふわり、と伽羅の香りを嗅いだ気がして。
　我知らず、口端に浮かぶ笑み。
　まだ、此処にいると。襟より覗く襦袢の合わせ目に掌を置いて確かめる。

　　——生くることは、常に闘いなりければ。

　鼓は大きく歩を進め、がらりと引き戸を大きく開け放った。

　ピアと仲がいい、といわれて嬉しそうに顔を綻ばせるポポロ。

　さらにピアがポポロを育てたという話に、うんうんと頷いて、

　心なしか早口になっている気がする。
　放っておくと、いつまでもピアの自慢話をしそうだ。

くすくす。

手を取り腰を抱いて、優雅にステップを踏む。
月明かりの下、二匹の狐が舞い踊る——

魔法学が発達しているのも考え物である。

オレンジ色の団子のようなものを手に積み上げる

助言がなければ炎攻撃ぶっぱしてただろうから恐ろしい

耳をピコピコ動かして遠くの音を聞くように動かしている
ついでなんだか頷くように首も動かしているように見える

ただの花火の妖精なのにねーと

恋は盲目ってこういうときに使うのかなーなんて思ってみたり。

自分達の世界は大部分が人間で、そこから一部に半獣などの特徴が出るものがいる事。
自分達はそういう人の集まった裏側の集団であること。
その集団同士のいざこざがここに来る元になったということを話した

ポリポリ、と頭をかく

そういえば最初に酒に口をつけた時は、ツヅミはどうしてこんな変な味のものを美味しそうに飲むのか不思議に思ったものだと、舞い散る紅葉とそれに良く似た色合いの妖狐の姿を見ながら懐かしく思い出す。

そんな風に強制的に結ばれた絆でも主を大切に思えるものなの？と問いかけようとして、ツヅミの表情に気付き口を閉ざす。

それでも主を持つことがどんなことなのか。
主に撫でられ、名前を呼ばれるたびに、どれだけ幸せに感じるのか。
それは自分もよくわかっていたから。

控えめにそう言い。
しかし話の続きを聞くにつれ、思わずツヅミの顔を見つめ返して尋ねた。

本当ですよ、と念を押しつつ肩を竦める
幸か不幸か、ツヅミの心中を察せるほどカンが良い方ではない。

頬をつつかれながらも満面の笑み。
水風船のような手触りを伝えつつ、他愛無い話を続けている。
見たままの通り、純情無垢を形にした様な気質だ。

そう頷くと、今度は大仰にため息をついた。

※なんか地雷っぽいですね※