——とあるケーキづくりの一風景。


「シャーベット様は……最近ずいぶんと笑うようになりましたね？」
「……そうなの？」
「ええ、以前よりは男性からの目線も大分やりすごせてるかとおもいますし……何かいい事でも？」
「？……別に……そんな事ないと思うの。」
「そうですか、あっそろそろお時間が……」
「えっ？もうなの！？……あわわ。」

　慌ててスポンジを取り出すが手が滑り床に落とす。

「……すみません、私が横で見ていながらこの有り様。」
「ううん……私がちゃんと時間を数えてれば……お姉さまは悪くないの。」
「いえ、これは私の問題も……どうして上手くいかないのかしら……。」
「……ごめんなさいなの。」
「いえいえ、シャーベット様が謝る事は……しかし次で最後の材料ね……。」
「ぇと……つ、次こそは……！」
「はい、次こそは完成させましょう。」

ポッポー(4時間後)

(ま、まさかこれほどとは……)
「ぅう……結局後から買ってきた材料も……駄目になっちゃったの。」
「……ひとつお聞きしてもいいかしら？……どうして……ケーキを作りたくなったの？」
「え？」
「いや、聞いてなかったものだから……よかったら聞いていいかしら？」
「……私の作った物……食べてもらいたい人がいるから。」
「…………そう、なら……これで行きましょう。」
「ほ、本当に？」
「ええ、こういう物は……愛さえ有れば平気なのよ。」
「……大丈夫……かな。」
「……しっかりと気持ちを伝えれば大丈夫よ。」
「……わ、分かった。」

——恋の季節ね……しかしこの失敗作は勿体ないわね……お嬢様と……可哀相だけどフィーさんには当分これがおやつね。



「あれ？……そういえば……あれは確かランダムだったような……ま、まぁ知らない方がいいこともあるわね。」



仕事長すぎィ！
集団はお休みします……。

アネスの見た方向、掲示板をみて、ああ、などと漏らす。

泥水上等、といわんばかり。

そういって鎌を渡す。

かばんをゴソゴソして、可愛らしいクッキーを取り出した！

（そして「フェイカーだけになっ」などと、くだらない冗談を言いながら笑う。
しかし直ぐにハッと何かに気付くと、あなたの瞳を覗き込むように顔を近付けた。）

（笑ったかと思えば怒り、怒ったかと思ったら心配する。
そんな慌ただしく変わる彼の表情だが、どの感情もあなたの身を案じてのものであることには違いないだろう。）

（「現地のヒトも、わからねェのか……」——青年は顎に手を当てながら目を伏せ、あなたの回答に対しそうひとりごちる。
少なくともその様子からは期待した返答が得られなかったことへの落胆はなく、冷静に、真剣に分析しているように見える。

——しかしその実、内心でもそうとは限らない。）

（握った手には、無意識に力が籠る。）

　
　寄り添う感触に気付けば、
　彼女からもちょっとだけ身体を預ける。

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した