〜　日曜チキレ劇場　〜
【　けっこんしてよ！ギュス子さん　】

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☆登場人物紹介☆

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【　第１９話　『　ころしてでも　うばいとる　』　】




扉を開けたら、そこには別世界が広がっていました。

ここは、冥土喫茶 『有楽飯庵』（うらめしあん）。異次元の扉で何処からでも行ける、憩いの妖怪メイド喫茶店です。
料理自慢のオーナーと、かわいい２人のメイドさんがいつでもお客様をお待ちしております。


さて、前回までのあらすじ。

キラキラ系イケメンにしてうらめしあん常連のハルさんを、軽はずみな言動で怒らせてしまったギュス子さん。
お詫びの意味で新鮮な魚介類のパスタを提供しようと計画し、見事に帝王イカというバカでっかいイカをゲットしたものの、

余りに大量なイカの切り身と、その作業に追われてすっかり磯臭くなってしまい、このままメイド喫茶に復帰は困難な状況に。

仕方なく、後のことはテンチョーに任せて、再びエンブリオ捜索に出かけたのであります。


目的はもちろん、先日遭遇し損ねたブリギットさんを捕獲すること。


ブリギットさんの持つスキル『アイスソード』を諦めきれないギュス子さんでしたが、
先日までの経験からか、一人で探すのは効率が悪いことに気がついたようで、今度は一緒に探してくれる同士を募ることに。

そして幸運にも３名の協力者を得て、ギュス子さんは新たな場所でエンブリオを探し始めたのでした。

仲間の案内を受けて辿りついたのは、女神の園と呼ばれる庭園。
至る所に置かれた大小様々な女神像と、整備された水路に沿うように季節の花々が所狭しと花を咲かせています。

水辺、というよりは公園という言葉が近いような、心安らぐ空間が広がっていました。

これまで探索していた環境が割と苛酷な場所だったせいか、穏やかな空間にはどうにも馴染めないギュス子さんです。

その経験からか劣悪な環境ほど強いエンブリオに出会えるものだと思っているようですが、実際はそんなことはありません。
もともと世界を構成する要素、精霊という言葉に近い存在がエンブリオですから、より自然環境が良いところ、
清らかな場所を好むエンブリオが多くてもおかしな話ではありません。

そういう考え方からすると、先日のドライアドさん事件は結果的には出会えたといっても、かなり反則じみた方法だったと言えるでしょう。

おっとギュス子さん、異論がおありのようで。

ええ。確かによく整備された公園ですから、もともとエンブリオが住みついていたというのは考えにくいでしょう。
もちろんこの世界の王によって連れられて住まわされているエンブリオも居るのではないでしょうか。

もともとエンブリオとは契約で成り立つものですし、契約してここに住んでいると考えれば何ら違和感はありませんね。
で、それがギュス子さんの探索について何か問題を起こすものでしょうか。

そんな持論、いまここで初めて聞いたわけですが・・・まあ、なるほど。言わんとしていることは分からなくもありません。

ちょっと論理が飛躍しすぎているような気がしなくもないうえ、猫ちゃんだったら

とツッコミを入れられてたであろう自分勝手な主張ですね。

ほう。そこまで言い切るとはよほど自信がおありのようで。じゃあ、ここでブリギットさんを呼んでみたらどうです？
呼んでみて出てこなければ、別のもっと過酷な場所を探しに行けばいいわけですから。


そう聞くが早いか、ギュス子さんは庭園全体に響き渡る声でブリギットさんを呼び出しました。

出てくるわけがなかろう・・・そんな驕りが誰から見てもわかるような、挑発めいた声がこだましていきます。




すると・・・・・・。

周囲の空気が氷の様な冷たさをまとい始めました。

そして近付いてくる何か得体のしれない圧力。１つ、２つ・・・いやそれどころではありません。
それらはまっすぐにギュス子さんに近付いてきたかと思うと、周囲を取り囲むように具現化し始めました。

どうやらまさかの結果だったようです。

数にして７つ。凶暴な意思がギュス子さんに向けられています。その感情は、怒り。





口は災いのもと。


またしてもギュス子さんは、己の失言からピンチを招いてしまったのでありました。




戦闘が始まります。









つづく。


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