風の妖精界、リベルフィアートに住まう大妖精は呟く。

妖精界の各地に現れた、魔力をうばう生命体『ローバル』を倒すため、フェアリードライバーを託した人間の青年、黒谷シュウスケと、旅に同行したフィリアス＝ファイ。


彼らが「新たな妖精界へと向かう。」といって異空間へと向ったのを最後に、消息が完全につかめなくなってから一週間以上が経っている。


まさか、2人に何かあったのでは…そう考えると、大妖精は胸が締め付けられるような感覚に襲われた。

ふと、背後から声が聞こえてくる。
大妖精が振り向くと、そこには彼女の見知った妖精の顔があった。

そういって、来訪者はふわりと大妖精の傍に飛んできた。

大妖精は、そう言って照れくさそうに微笑む。

大妖精は、そう言って俯く。　



しばしの沈黙…大妖精の表情からは、不安と悲しみが見て取れた。

そんな姿を見かねたのか、妖精は大妖精のそばに歩み寄り…手を掲げる。

頬をあたたかいものが伝う。大妖精という立場になり、妖精界をまとめる立場になってからは、人前で見せまいと抑え込んできたものが。

安堵と共に目からあふれ出すのを、大妖精は堪えることができなかった。

変身の様子をどぎまぎしながら見ていましたが、やがて何かに気付くと、嬉しそうな様子で何かを取り出します。

どこからともなく取り出したのは、黒い金属製の小箱に収められた、手のひらほどの大きさの黒い宝石。
ベルトの宝玉と同じような大きさですが、そこにははまりそうにありません。
所々から赤い光の洩れるそれは、お世辞にも縁起のよい物ではなさそうです。

「異世界に行けばわかる！」
元気の良いフィアリスのその言葉にクスクスと笑みを見せる。

秘める言葉は　「今は話せない」
しかし、しっかりと返された答えはいつか『何か』を告げてくれる事を確信させた。


何か、質問等がなければ彼女は此処からまた立ち去り、
他の一揆参加者達へ『忠告』をしに行くだろう。

—◇—

溜息を吐くヴァルトを他所に、仔鼬はケラケラ笑う。

そォいう考えは、無かったなァ。と仔鼬は感心したようにフィリアスとシュウスケを見下ろしている。

そう言いながらハイタッチを求めるように手のひらを見せています。

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

フィリアスの魔力から精製された宝玉を、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

フィリアスから宝玉を受けとり、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！