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『…ふん…わざわざ「メルンテーゼ」とか言う別の世界にまでローバルを送り込んだというのに…
奴等め、たかが妖精の分際でここでも私の邪魔をするか。』




暗闇の中で、人影はポツリと呟く。
周囲には黒い人の姿に仮面を付けたような姿の怪物…『ヒトガタ』のローバルが無数に佇んでいる。



『まあいい…おかげで、あの世界にはエンブリオという、妖精に並ぶ良い魔力を持った物がある事が分かった…面白い。』

地面に伸びる影から、一体のローバルが現れる。　…その手には赤く輝く宝石—どこかから奪い取った、魔力の結晶が握られていた。

人影はそれを受け取ると、腰部に取り付けられている装置に装着する。

無数のローバルは、『彼』に片膝を立てるようにして跪いている。
ヒトガタの段階のローバル達に、明確な意思があるようには感じられない。


仮初ではあるが生命を持っているがゆえに、本能が感じ取ったのだろうか。


『彼』は、間違いなくローバル達を従え、そこに「君臨」していた。

彼の声と共に、周囲にいたローバルは闇の中へと溶けて行った。



残された人影は、影から現れた椅子に腰をおろし、腰部の装置に触れながら前方を見据え、ポツリと呟く。

その声は、まるでゲームを楽しんでいるかのような、期待と好奇に満ちたものであった…









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リベルフィアートの大妖精は、ローバルの気配を常に探っていた。

その結果、シュウスケとフィリアスが、メルンテーゼと言う世界に迷い込んでいる事をつきとめることができ…同時に、ローバルがその地に集中している事にも気づくことができた。

大妖精が呼びかけると、妖精達が集まってくる。