助けも答えもありません。ぴおはそれでも涙を拭いて動き出します。

誰の助けを得られずとも。自分がおねぇちゃんを助けなければならない。
考えられないならば考えなければ良いのです。今を凌ぎ、花をかき集め。何度でもリトライしてみましょう。
　似ている、とぴおは思いました。一揆と同じく動き出したら止まれないのでしょう。自分で自分の事も分からない……
でも分からない事は、分かりました。なんとなく、なんとなくですよ？　分かってきた気がするのです。
今までただ真っ直ぐに来た事の意味が。自分のどこが分からなくて、何故ここに居るのか。
ぴおはじっと自分の手を見ます。小さな手です。拳を握りました。心なしか、引き締まった感じがします。

息を大きく吸い込み、伸びをしました。心なしか、笑顔になれそうな気がします。

　ぴおは今日も生きています。明日もきっと生きているでしょう。

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　人影少なく静かな村、夕暮れ過ぎのお話でした。陰鬱な眼をした金髪の、背の小さな少女が歩いています。
腰にはポシェット、よれよれの風体。疲れた足取りに見えます。

「！！」
「！！？？」

　一軒の民家から言い争う声、そこに少女は帰ってきました。帰りたくは、無かった。重い足取りはそう語っていました。
丁度、彼女の事について両親が言い合っていました。誰もが疲れた顔をしていました。
暫くして、悲鳴のような叫び声が響き渡り。それきり静かになりました。
少女が家から走り出てきます。誰ともすれ違う事はありません。暫くの間、走って。
動揺がありありと伺える表情そのまま、何事かを叫びながら近くの診療所に駆けこみました。
暫くもしないうちに、少女はやや呆けたような表情で診療所の外に歩いて出てきました。
周囲を見渡し、誰も居ない方向へと足を向けます。赤い花畑の方へと。
　と。二人、目の前に立ちふさがって。気が付けば、その二人……見張りの兵士が倒れていました。息をしているかは分かりません。
間違いないでしょう、自分が原因です。そう少女は確信しました。
まっさらなまま、ただ進みました。とにかく、ここから居なくなるために。

　
　　四つ子が汽車ゴッコしながらついてきた！

「わたしも食べよーっと！」といって、フィリアスもキャンディを取り出してくる。流石に妖精には大きいのか、袋を少しだけ開けて、ガジガジと齧り始めた。

ぐいっと近づかれると、少し慌てて身体を起こす。

ぎゅんぎゅん。お化けじゃないのよーという自己主張でしょうか。

耳をぱたぱたさせ、びくっとして。敏感なようで。

耳がすっとして気分爽快。たまにやられるといいかもしれない。

ぴおにサラサラの髪をいじくられながらちょっとくすぐったげに笑って。

暖を取れるようになったと聞けば、さらに安心した様子で。
ぴおの生活ぶりをちょっと心配していたようです。

笑ってるぴおに対して苦笑気味に。なんか自分がずるしてるみたいで。

兄弟がいるかという問いに龍は少しはぐらかすように答えた。
脳裏には最近の夢が浮かんでいた。
武器を持った同族と思しき人々とその頭と思しき男の武器を掲げた勇士、
それは龍の脳裏にこびりついて離れなかった。
そのビジョンを軽く振り払うように、ぴおの問いに答える。

続けた声を遮る形で女性が割って入った。
どうやら裏手から建物をぐるりとまわり、入り口側から戻ろうとしていた様子である。

女性の口調こそ少々ぶっきらぼうであったが、それでいてどこか仕草や口調はやや営業めいている様子だった。

無表情だが、どこか嬉しそうな声色で、

ぷるぷる…