シュースケ、わたし夢を見たの。

なんだい、急に…　いったい、どんな夢？

わたしとシュースケは、船に乗っていてね。

うんうん。

急に、大きなクジラが現れて、わたしたちと船を襲ってくるの。

大きなクジラ…？怖い夢だったんだね。

でもね、シュースケが、船長さんの言うとおりに大砲とかで戦って、クジラの上に乗ったりもして…

…ん？

凄い大迫力だったんだけど…変だったのがね。
シュースケは敵の素材で作った鎧や大きな剣を持ってて、わたしは猫みたいな生き物になってたの。

フィリー、それ以上はいけない。それはただの夢だよ。

そ、そうかな…なんだか、すごくリアルな夢だったんだよ！

あ、あと大きな剣の他にも、虫を操る長い棒とか

夢だから！！

ぶー…面白かったから話したのにー！

仮に夢じゃなかったとしても、今の俺達とは関係ない世界の話だと思うよ。

それより、もうすぐ目的地につくから、準備しておくんだよ、フィリー。

はーい！　…それにしても、闘技大会なんて初めて聞いたよね！
力試しにもなりそうだし、なんだか楽しみ！

そうだね…一緒に参加してくれる人達は、もうついているかもしれない。ついたら改めてあいさつに行こう。

うんっ！

それはもういいから！

うわっ！同じ敵がいっぱい！

厄介だな…気を付けて戦おう。

そういえば、さ

しばらくパーティー組んでて思ったんだけど、みんなの好きな食べ物って、なあに？

なんとシュールな敵！

へえ……面白いなあ。鉄の妖精……か。
……私の武器にも妖精とかいたら、面白いんだけど

長生きした魔術師の部屋は、それだけで特別な空間になったり。
そういう実際の効果もあるんだけど……やっぱり心がけの問題だよ

何にしたって、物は大事にしなきゃいけないって事だよね。
……そうしなきゃ、それの妖精さんが悲しむ。でしょ？

……なるほど、動かすために必要なモノ、か。
そういう類は、私の世界ではそっくり魔力で代用されてたね

そういう事を考えても……うん、君たちの世界は面白いな。
隣の芝っていうのを抜きにしても、いつか行ってみたいと思うよ

……そして、メルンテーゼも。面白い世界だよね。
ねえ、二人は——この世界について、どう思う？

へぇ、結構一緒にいるんだ。
ね、ね、初めて会った人間さんもあのお兄さんだったりするのかな？
どんな感じの出会いだった？

あたしは昔鬼の根城に攫われて、食べられそうになったところを寸でのところで
ご主人が助けに来てくれたのが初めての出会いだったんだ。
それから恩返しも兼ねてずぅーっとひっついてるのさ

今はそれ以上に、ご主人が大好きだから一緒にいたいって思ってるんだけどね。
少しでも役に立ちたいってさ。鬼の根城であたしと同じく助けられたもう二人と一緒にね

ただ、ご主人はあたしたちがご主人に尽くす以上にあたしたちのために
頑張っちゃう御仁でさ…ちょっと無理がたたって今は休んでもらってるんだ。
奥の座敷でゆっくりと休んでもらってる…

ね、話しを聞く限り、あのお兄さんもご主人が鬼と戦ったみたいに
"ろぉばる"ってのと戦ってるんだろう？

ならさ、あんまり無理しないように見といたげてよ。
見た感じ、ご主人と似たところがあるからさ、ちょっと気になるんだ

っと、辛気臭いこと言ってごめんね。
そうだね、じゃあ"ろぉばる"が出たら頼らせてもらおうかな。
あたしも妖精と同じようなもんだから、襲われちゃうかもしれないしね

携行性を取るか安定性を取るか……難しいところですね

尤も、逆に考えてみれば「普段から身体を鍛える！」などと言ってわざと重い荷物を背負う人も居るかもしれませんが

私も、御伽噺とかそういうもので聞いていた程度ですので……私の居た研究施設には色んな世界から錬金練成の情報を集めるための何かがあったらしいです。そこから他の世界の実話や創作話などもごちゃ混ぜになって入ってきたようで……

ふふ、すごいでしょ？もっと褒めてくれてもいいのよ？
もう少ししたら私だけの意志で自由に戦えるようになるわ。契約した主の役に立てるって、嬉しいもんよね

……つっても、貴方達には当てはまらないか。どうみても主従関係じゃなさそうだし

……何よ、その何か言いたげそうな顔は

それにしても……なんでしょうか……その、フィリーさんを見ていると……何か、感じますね

どこかで、こんな感覚を知ったような……

……そうだ……

？　スカル？どしたの？

……あ……いえ、なんでもありません

なっ……！はぁ！？

『……クソ甘ちゃんが。さっさと断っちまえよ、クソ！
お前は人でなしなんだろ？お前は忌み子なんだろ？裏切っちまえ！』

『お断りだね。俺とお前は友達にはなれねえ。
住む世界が違い過ぎるし、何より俺はお前が気にいらねえ。
俺は正体をバラしたくねーって言ってんのによ、話聞いてんのかテメェ？』

『………近い内にお前を知ってる男が会いに来るだろうな。
そいつならきっと、お前の友達になってやれる……かも、しれん』

へぇ〜〜。本当に面白い装置ですね……その大妖精様って方は、本当に凄いんですねぇ……

ということはつまり、その妖精界には私達も、フィリアスちゃんに連れて行って貰えたりするのかな……？

データ収集の為にも、是非一度訪問してみたいものです

えっと、具体的に……ですか？　私達の世界にメルンテーゼから使者がやって来て、一揆の為に腕の立つ人間を集めたいっていうお願いをしたらしくて。私の国が精鋭の冒険者を呼び出して、メルンテーゼに送り込んだんですよ

お母さんもその中に居たんです。呼び出されたっていうのはそういうことですね。何か、気になることでもあったんですか？

う、うぅん……

あはは、ヒーローだって、揚羽ちゃん！

やめてってば……そういうガラじゃないんだから

……あぁ、そういえば
悪者というより、よくないものになら、私たちにも心当たりがあるっけか

よくないものって、影の事？

そ、倒しはしたけど、アレだけとは限らないでしょ？
なんていうのかな……不定形な黒い影みたいなヤツなんだけど

えっと、人の負の感情と魔力を糧にする危ないのなんだ
人にとりついたりして悪さもするし、こっちもおばけみたいかも

そうだよね……
それで困る人が出るのが、わからない筈はないもん

……だから、何か事情があるのかなって
何を考えてこんな事をしたのか、それを知るのも役に立つかもしれないしね

今の時代戦闘は情報命って奴だからな、頭脳労働が８割って感じだぜぇ？
あとは己の手足を動かすが如く下々の者に命令を下すのみ、ってのが理想的な展開よなぁ！
いつの時代も色男は金と力はねぇのが相場でな！　自慢じゃねぇが箸より重いモノは持たねぇのさ！
肉体労働の一切は脳筋一代のコイツが全部担当してるワケで、俺様ぁ手綱握るのに忙しいのよ！

……肯定。
我　総身　一介　武具　同等。　破損　前提　消耗品　等号。

故、戦場　我的　生地。　破砕　散華　又　任務　一種

むむ、これはどうも初めまして
シュウスケさん、フィリーさん！

私はミクロスヴィティス流クン・フウ師範代を務めております
　シャオラン・ミクロスヴィティス　と申します
以後お見知りおきを！

私はメルンテーゼの世界の隅の方にある
「シュノーク」という犬人の村から来たのです

この服は異世界から来られた御先祖様が遺してくださった
「チーパオ」という服なのです
メルンテーゼには他には無い服なので珍しいのは仕方ないかと

むむ、エンブリオが既に実体召喚出来てるって事は
かなりの熟練者の方なのですかね？

…あ、それとも「エンブリオ契約」とは無縁の
別世界から来られた方なのでしょうかね？

思われてるとか、多くのってのことは、一握りぐらいやばいのがいるってことか？

……駄目だ。この娘がすごい悪そうな顔試しに想像してみたがしっくりこねえ。

ああー、なんとなく分かる。奔放でにぎにぎしいのか。

俺もこの間ノームの爺さんやこいつに引っ張られて人脈作りに妖精が切り盛りしてる宿に顔出してきたけど、
ああでもあそこはお前さんと違って無軌道だったな。

でもいいじゃねえか。教師の気持ちってことは慕われてるってことじゃねえのか？

スーツ……、外骨格……。え、お前もしかしてヒーロー的なあれか？
うんとかライダーとかなんとかレンジャー的な。

っはぁー。色々な地球があるのは分かってきたがそういうのがある地球もあるんだな。
んでも実際にこうやって話してみると、ヒーローってより……、
なんだ……、使命感とか責任感って感じじゃなさそうだな。
シュウスケ自身がやりたいって思ったからやってる印象つうか。

んでも、スタイルは考えてないか……。
だとしたら、少し不味くないか？　その相手がここにもいるかは知らないが、
一揆真っ最中なら明確に意志を持って攻撃してくる手練れがそのうち出てくるだろうしな。

気をつけろよ。俺も災害に見舞われてサバイバルしてきたが、本当にやばいのは意志のない敵よりも、明確にこっちを排除するつもりの意志を持った人間のほうだと思う。

なんつうかよ……、あー、俺みたいなおっさんが言うのもなんだけど。
シュウスケには怪我してほしくねえんだよ。体ってより、心によ。

なんか、お前さんを見てると真っ直ぐに思えてな。羨ましくも思っちまう。
そんな奴がここでどうにかなるって、面白くねえんだわ。

「ローバル」……？　それって何…？

アレックスはほんとにひどいんだよ……

ぼくがいろいろ知らないのをいいことにあることないこと色々もー……！！

あの子なら妖精だけじゃなくて、人間ともどんどん仲良くなれそうね。
人見知り、ってこともなさそうに見えるし。

自然がない……

ちょっと想像もつかないわね。
この世界ならどんな大きな街でも少し視線を変えれば山や川が見えるものだから。

そんなところなら、それはもう大勢の人がいるんでしょうね。

ああ、プーって言うのは友達……というには微妙な関係かしらね？
あたしが与えられた役目を果たすための協力者、もしくは妖精たちの協力者。

分かりやすく言えば妖精や世界の『敵』と戦う異世界の戦士ね。面白い子よ。
あなたと似たような格好をしていた気がするわ。呼んでみる？

いちご……

ふぃりーさん……おねえさん、おねえさん？
わたし、ようせいのひとのねんれい、ぞんじませぬが。
ぶっし、じゅんたくにありますか？　ああいえ、あまりえんりょするのもしつれいか。
いただきます？　ともだちけいやく？　このかりはいずれ？

まほう……くわしくありませんが、てじなとはいったい。
えいしょうなし、まぐ？　きいたことしかありませんが、なるほど。
うごきまではみてませんでした、ごめんなさい。おにいさんとべつものでしたか。

……でも、このあたま、ふぃりーさんにてます？　もでるさん？
どんなごかんけいなんでしょう……

よし…フィリー、ルタちゃん。行くよ！

うん、がんばろうね！

まっかせてー！！

よし…行くぞ！

よっしゃーいこう！

貴方が望むのならば・・・・・

貴方が望むのならば・・・・・

貴方が望むのならば・・・・・

『やったー！わたしたちの大勝利だねっ！』

『えへへ…やったぁ！』

何とかなったみたいだね…二人とも、ありがとう。

あっさり！

よーし！さきへ行こっ！

何が起こるかわからないから、気を付けて進もう。

行けぇ！

「シュースケ、何か見つけたよ！」

「お、よく見つけてきたね、フィリー。」

ん、なんか使えるかな…？

ゲット！