（小さく、メモが挟んである。）



・足りないと判断されて妹が消えたという可能性

・継続的にネクターを大量に捧げる必要性があった？

・マァムブと同様に扱われている？

・他に捧げられる代替品はないのか

・（何かを書こうとしたらしいが、ペンでぐしゃぐしゃになっている……。）

・最近グリゴリの周囲が慌ただしい

・補完としての人員はくるのだろうか

・妹の煙草は酷く甘かった
　　　　　　やっぱり苦手だったのかもしれない
　　　　　　　　　　　　　　　かわいい

・（何かを書こうとして消してあるようだ……）

・カミユ君には　（この先、何かが書かれているがペンで何重にも消されている……。）

そういって、甘い香りの煙草の煙を吐き出した……。

まだ、逃げ切れない。

そう悟ったシュウスケは、相手を改めて見据え、右手に新たな宝玉を精製する。

—距離が詰められてきている。このまま銃で対処するのは危険だ。—

シュウスケはバックルの宝玉を、別のものと付け替える。

双小剣を両手に持った、火の魔力を纏った強化外骨格。

シュウスケは「ファダフォーム」へと姿を変え、賊の襲撃に備える…！

対面に座る女が口にした願いにそんな感想をこぼす。

声にだすことで口内で感慨を転がし、
許された煙草を色の薄い唇で挟む。

問いを投げて、男はゆるく煙草の煙をふかした。

躊躇を眺めながら、笑いもせずに馬鹿馬鹿しい返事を投げる。

取引先、との単語に、思考をいくらか現実的なものに切り替える。

　

暗に──危ないぞ、とほのめかしながら、
男は緑色の瞳を見やって、目を眇めた。

ネイベールはリレッタの食べる様子を見て、
ふぅん、と小さく息を漏らすと匙を使って食事を食べ始めた。

薄っすらと血の付いた得物を振り払う……。

どうやら、エンブリオと組手をやるようだ……。

開かれたコインの裏。
そして相対する者達の顔を見る。
つい舌打ちが、漏れた。

十三の瞳が、目覚める。
放つ金色の光は旧き黄金郷の記憶だろうか。
運命の糸に絡め取られた者達の刻が、今、動き始める。

それは他の者達と同様に、女の体へも変革をもたらす。

ぼんやりとした様子で、周囲を眺めている。

　　　　　シルマリィは日陰に移動した