大陸の北では、冬になるとユールという祭りが行われる。
当時世界中を旅していた劇団はそこでその祭りに合わせ、
『魔物と薔薇と』を公演することに決めた。
主人公である魔物の役に、新人のエゼルレッドが選ばれた。
ただし、エゼルレッドは身長が低く、
魔物の役柄のように体を大きく見せる衣装を必要とした。
そしてマリーが、彼の衣装担当に決まった。
前回の『ユージェニー』での早着替えが劇団で話題となり、
今回もまたそれが必要になる場面があるため、抜擢されたのだった。

マリーとエゼルレッド、劇の本番まで二人はたくさん会い、話し続け、
互いに衣装と演技を完成まで運んでいった。
もう一人の主人公、魔物の恋人となる一途な娘のローザの役には、
かなり小柄な女優が選ばれた。彼女とエゼルレッドが並ぶと、
小さい者同士なかなか似合っていた。周りはその様子を微笑ましく見守っていた。
だが、二人より背の高いマリーは説明のつかない残念な気持ちで見ていた。
恋人役なのだから、演技の練習のために仕方がない。
それに、自分は演ずる者ではない。衣装係である。やるべきことがそもそも違う。
マリーはせっせと針を動かした。

年末から年始までずっとこのテンション維持。

—◇—

謎の詩人から今更ながら反応が返ってきた！！

大声でちょっとビクッてなったみたいだぞ！
でも視線はもふもふウールに釘付けだぞ！つかみはオッケーだ！

何か歌いだしましたよこの人。どうしよう、説明が無いよ！

どうしよう、何か質問してきてるっぽいけれど、説明が無いよ！

なんかコミュ症っぽい妖精が正座してそんなこと考えていたのであった。

一ハーレムってなんだ…。