〜ただの日記〜



—○月×日—

毒の恐ろしさを知る。
どくやばい。














—同日—

というわけで、現在兵舎から一度逃げ帰った。
逃げるのは恥ずかしいことではない。
逃げることに関してはパーフェクトな俺だ。

さあ、問題は逃げた後のことである。

このまま逃げ続けるかそれとも再び立ち向かうか。
当然俺達が選ぶのは後者である。

負けたことは問題は無い。
大切なのはそこから何を学ぶかだ。

だいたい俺を構成している8割が強がりとやせがまんとはったりなのだ。
俺が愚か者たる所以である。

俺は大剣を肩に背負いなおす。
敗北から学ぶことは多い。しかし、それは生きていたらの話だ。
今回も無事で良かった。
俺は自分の逃げ足に感謝した。

まあ、別に無理にというわけでは無いのでいやならいやでもいいのだが。
一人よりも二人のほうが鍛錬の効率が良くなる気がするので誘ってみたのだが、あまり乗り気ではないようなので、ひとりでやるとしよう。

—さらに同日—




鍛錬といってもやることはいつもと変わらないのだ。
剣を振り、身体を動かして、また剣を振って。


そのあたりまえの行動が身に染み込むまで。
基本の錬度をまで高める。高め続ける。


それが俺の鍛錬である。


ひとつひとつの素振りを大切に。
身体を動きひとつひとつに気を張って。


おかげで少しは剣術も様になってきているのではないだろうか。
そんな風に思う。


俺の剣術は師匠から教わったものである。
それを日々の鍛錬で少しづつ自分の形に変えていった。


ベルの術はどうなんだろうか？


ベルも誰かから術は教わったりしたのだろうか。
それともエンブリオというのはもう生まれついて術がつかえるものなのだろうか。


戻ったら聞いてみよう。


そういえば。


ふと、俺は疑問に思う。


ベルは鍛錬のときはいっつもいないことに気づいた。
何でだろうか。


まあ、別にたいしたことじゃないだろうが。








俺は考えるのをやめて黙々と剣を振る。










ーさらに同日ー











素振りのしすぎで腕があがりません。

まあ、人間とは失敗するもの。
完璧の俺にもミスはあるさ。





構わん。
トート＝ロードタックルで吹き飛ばしてくれるわ。

さて、現在大草原からの移動中で、見渡す限りの平坦で

幸運なことに視界を遮るものも無ければ、不幸なことに行く手を阻む曲がり角も無い

つまり・・・

だいぶ向こうにあったはずの車影は、驚いている間にだいぶ大きくなっている

いいながら、回れ右して全速力で走る

ちょっと振り返るとだいぶ近い
マント姿の男が運転席に居る気がした