久しぶり。エルの落し物は無事、見つかったから。
あとはシュシュリにもいつかお返しをしないと。

無事レアちゃんやロウさんエルちゃんとも合流ですね。
骨拾いに悪魔祓い、苦難の道を歩んだ末にやっとユニコーンさんに会えました！　後は私たちの力を示して契約するのみですっ！

なんで肝心のこちら側がユニコーン捕まえてないの・・・？
まさかとは思うけど賑やかにおしゃべりしながら散策とかしてない？　
聖獣だろうが獣は獣。警戒心は強いはず。

それで合ってるよ。剣は私の相棒で命綱であり——生き方の象徴でもある。だからコイツに誓うよ。

ロウはエルを守るのが所謂最上位……優先度が高い事項ってワケね。
ま、その理由やらはおいおい話す気になったらでいいよ。
守るモノは多い方が強くなるための理由になるしね。
得体の知れない現象で警戒させたのは悪かった。

……それは確かに私と逆だね。受け継がれた家族の名前を誇りに思えるってのは……ちょいとばかり羨ましいかもしれないな。
……ま、これもおいおい話したり聞けたりしたらいいな、ってことにしとくよ、今は。

……。

…………。

………………………。……アーク、ここは頼んだ。

……全く。マスターのやる事は考え無しにも程がある。
所謂世間一般の知識からすればこういう問いがあるのは我としては８割以上と踏んだのだが、止めるなといわれてはな。

エルなる少女のその問いに正しい答えを返そうと思えば、マスターは処罰を受ける程度では済まぬのだ。
で、本人の告げた通りで嘘偽りや誤魔化しが苦手、なあの気性では
黙り込むしかないわけだな。

……よって我に託したのだ。我はマスター本人よりは少々制限のようなものが甘い故。我は偉大な神聖霊だからな。

天使が神の使いという概念であるという大雑把なものを前提に話せば。
そのものではないが、属性的・概念的には決して遠くもない存在——ここまでがギリギリであろうかの。

遭遇率でいえば確かに伝説やおとぎ話並に珍しいかもしれぬが、なんせアレなので有り難味はなかろうよ。
……これで少女の問いの答えになるであろうか。

……ふむ。ロウは、そのエルって子を元気にするのが目的でこのメルンテーゼに来た……そういう解釈でいいのかい？
これも色々ワケアリそうだけど……やっぱりおいおい話す気になったらでいいよ。

ロウ達が来た世界の品を何か１つくれたら、故郷の専門連中に解析させたら多分座標は割り出せるし、行こうと思えば行けるだろうけど、あんまりあそこには戻りたくないし……。

何より、ロウ達が戻れる折に同行する方が、楽しそうだからね。

成る程、理由を知りたいというのならば確かに難しいであろうな。マスターほど深く物事を考えずに直感で生きている存在もある意味極端なのだが。

理解しなければならず、どうすれば理解できるようになるのかが分らない。
理解出来れば“変われる”——要するに、少年にとって知りたいものは“感情”……のようなものか。

……そうだな。マスターが先に言っていた通りに少年に理解したいという気があるのなれば。
一番は、マスターのように感情的な存在と多く接触する事、要するに経験・体験をする機会を増やすのが我の知る限りでは一番の近道だと思うぞ。

……その実例を、我は知っているゆえに。

そーいうモンだって！すげー格好いいぜ！

いやーやっぱ自分で持ってッとわかんねーかなあ、もったいねーなあ！
持たざる者だからこそ、ってか？オトコノコなら誰しも憧れると思うんだけどなあ！

……って、『腕だけじゃなくて全部』？

あーあーあー…苦労してンのはお互い様みてーだな。
あはははは……。

しっかし『変われない』ねェ……。
俺ぁ、そう思う気持ちが既に『変わってる』って思うけどよ。以前を知らねーから判断出来ないけどサ。

そもそもお前、誰か困ってる人を助けたコトあんのか？

やりもしねェで理解も何もねーだろ？やったことないならやってみろよ。
損得抜きで、『困ってるから助ける』ってサ。

ま、『考えるな、感じるんだ』ってヤツだ！
あっはっはっはっはっはっ！！

ふぅん、変化ね…。

知っているか？
人間の選択ってのは、どう言い換えても
結局は…戦うか、逃げるか。

極端に言えばこの二択に集約されるらしいぜ。
そして、オマエさん達は、前者を選んだらしいな。
変化という言葉を使ってはいるが…。

……。

端的に言えば故郷に戻る術、という所だ。
オレの雇い主はその術を持っている。

小悪魔、か。正直苦手な部類だ。
早々にご退場願いたいものだね。

テティスにとっては、念願のユニコーンじゃない？
しっかり勝って、しっかり契約しないとね。

言葉が届かぬというのならば、届けるまで・・・です！

けだものが相手・・・。駆除して早く先へ進む。

あやぁ、お客さん？お相手しますよーっ！！

私の領域に足を踏み入れた時点で既に勝負は決着している。

この世界は干渉を必要としません。即刻立ち去りなさい。

あやぁ、お客さん？お相手しますよーっ！！

ふう…勝てたようだね。大した損害もなく何よりだ。

障害、排除完了。エル、怪我はない？

みなさん、お怪我はありませんか？　治癒致します！

無駄な労力、無駄な命、そして無駄な勇気・・・蛮勇。

おうおうおう、結構いいスジしてんじゃん。

俺はアヴィドってんだ。強ぇ奴は嫌いじゃねぇぜぇー？
ちらほら見かけるが、あんたらみんな一揆の連中だろぉ？
いやぁ大いに結構、存分に暴れてくれると助かるわぁホント！頼りにしてっからよぉ！！

あぁそうそう、ドロワっつー黒髪のお坊ちゃんを見つけたら教えてくんねぇ？？
リーゼロッテとかいう真っ白い美人さん連れてどっかにいると思うんだわ。

アホ親父の言いつけでなぁー、ちょっち・・・・・・・・シメねぇといかんのよォ。

あー、城ならあっちだぜ。大廊下に続いてるからよぉー、坊ちゃん捜索頼むわぁ。

・・・っと、そんじゃなー。死なねぇ程度に頑張れよー。

どうだい、これは。行商の足しになると思うかい？

……これ、何？

何かに使えそうですね。ひ、ひろいぐいなどはしたないことはしませんよ！？

これ・・・何だろ。

よし、全員怪我等がないようならはじめようか。

攻城戦に活かせる、良い経験ができる事を期待してる。
お互いに手加減なしでいいよね。

言葉が届かぬというのならば、届けるまで・・・です！

何か面白いものを見せてくれるの？