コ「……正気か？」

コジローが鋭く問い詰める。

ア「あたしゃ元よりずっと正気だ。」

アンナが不機嫌そうに反論する。

ク「逆に正気だったことがほとんどない気がするんだが。」

クウがつっこむ。

ヤ「そもそも正気の人のほうが少ないんじゃないか？」

ヤタが割り込む。

ア「文句あっか。あんなら言ってみろ、ねじ伏せてやるからよォ！」

アンナはいつもの通り堪忍袋の緒が切れて怒鳴り出す。
PTの面子にとっては見慣れた光景だろう。
皆顔色一切変えずに会話を進める。

ヤ「あまり面倒なことはしたくないんだけど。」

ク「一揆自体めんどくさいことじゃね？」

ヤ「それは目的であり遂行せねばならないことだから。」

コ「まあそれは今はどうでもいいのだ。問題は、こいつが「『人斬り』するぞ」と言っていることだろう。」



……事の発端は少し前。
ブランチマンに破れ、進展がしばらく無く、資材や資金の収入も乏しかった。
仕方なく場所を移し、水辺を探索しているのだが、そんな時にアンナは言ったのだ。
「『人斬り』するぞ」と……。





ク「実際それなんの利益あんだよー。」

ア「あたしが満足する。」

ク「脳みそまで筋肉どころか腐ってるんじゃねーの？」

ア「うっせェカス。ちっこいくせに生意気言ってんじゃねェよ。」

ク「てめーはでけーだけだろーが。ゴリラよりなさけねー。」

ア「あァ！？てめェ臓物ぶちまけられてェのかァッ！？」

いつもの通りアンナがクウに斬りかかりクウが華麗に避けたりガードしたりするのだが
この光景もいつもの光景だ、他の二人も呆れてみているだけ。

ヤ「別に人を狩ることに関しては僕は何も言わないけどね。
　　狩ったならその資材奪えばいいんでしょ？そうしたらいくらか旅も楽になるんじゃないか？」

ク「でもさー、みんなも一揆やってるんだぞー？どうせつえーって。」

ア「強いほうがいいだろ、雑魚なんざ狩ったってつまらねェだろうが
　　あたしはあたしが満足できる相手がほしいんだよ。」

会話しながらクウはアンナのチェーンソー斬撃を回避している。
アンナは力任せにおおぶりをしているが、当たればひとたまりもないだろう。

ヤ「ま、どうしてもやりたいのなら、あそこにいる御一行様でも狩ってきたら？」

ヤタが指した場所には4人のPTがいる。どうやら一揆民らしい。
ついでに近くでは兵士が水浴びをしてる。

ア「へェ、いいカモがいっぱいいるじゃねェか……」

ク「なに紹介してんだよー屑姉があばれちまうだろー。」

ヤ「ああいうのはうまく利用するのさ。うまくぶちまかせれば資材を回収していい思いすればいいし
　　危ないなら逃げる。」

ク「逃げられないともうけどね。ほら……。」

見ると、アンナが騒いでたせいで兵士が此方に気づく。
どうやら敵意があるらしい。すぐさま構えて此方との戦闘の準備をしている。

コ「……戦いは逃れられない、か。」

ク「いきなりしゃべんなびくるから。」

ヤ「そんなことより、きてるよ、あれ。」

ア「てめェらまとめてブチ殺してやんよォ！！！」

戦いは避けられない！

削れる骨も意に介さず　女の腰を両断せんと刀を握る手に力を込めた

刹那

骸骨の体全体に強い"衝撃"が走り　骸骨の体が"浮く"

女の力強い蹴りが骸骨の体に綺麗に当たり　骸骨は勢い良く後ろに吹っ飛ばされる
その過程で骸骨の　体の中心から遠い骨から順に　ぽろぽろ　からから　と乾いた音を立てて　外れ　零れて地に落ちる

体中の骨を　ばらんばらんに　ばら撒いて　最後に頭骨が　こつん　こつん　と小さく弾んで転がると
先ほどまでの喧しさが嘘のように　骸骨は"沈黙"した

辺りは骸骨の撒き散らした大小様々な骨が散らばり　骸骨が振るっていた刀が地に刺さったまま鈍く光っている....

ファイが、じーっとあなたの持っているエンブリオを、見つめていた。
あなたの視線に気が付くと、すぐに挨拶をする。

ファイはそう言いながら、ゴレム、サラマンダー、ノームを指さす。