この間の思考、実に1秒実にお気楽脳であった

存在からして異なる以上、意味は無いと知りつつもクリスの額に手を当て、熱を計りつつ薙疾は言う。


クリスは主に、戦闘中に意識を手放して──よくわからない言語などを用いたりすることが多くなった。
彼女自身はそれを認識していない……ようなのだが、
聡明なこの子が『戦闘が気がついたら終わっている』ような状況を疑問に思わないとは考え辛い。

それすら認識としてずれているのか、彼女の中で不自然に統合性がとれていることになっているのか。
いずれにせよ、薙疾から見て"大丈夫"とはとても思えない。
以前ジーンが言っていた「結末」に、何らかの形で近づいているのだろう。

結末は笑顔で。

ジーンにはそう言ったが。
明らかに不吉なその"結末"に対して真っ直ぐ歩いて行くつもりだって、薙疾にはない。

モクは新たに手に取った槌をブンと大きく振るった

そう告げると、しかしすぐにサングラスを外す。

実際コワイ。