俺様は猫である。
名は無い。
俺様を見た人間がネコとかクロとかネコチャンとか勝手に呼ぶから、空気を読んで返事をしてやっている。ニャー。

えらい目に遭った！
何か知らんが俺様の下僕共が揃ってクーデター起こしやがった！
俺様に向かって水ぶちまけた上に、変な臭いがするベタベタした粘液ぶっかけやがって全身もみくちゃにしおった。
俺様泡まみれだ。
被毛どころか地肌まで濡れそぼってびたびたで抵抗する気力無くしたら、下僕共調子に乗りおって、更に水ぶちまけおる。
濡れ猫、こんなみじめな目に遭ったのは(´・ω・｀)久しぶりだ。

：：：
猫、洗われました。

とってもフローラルな香りになった猫。でも本猫は不機嫌だ。

声はいたって冷静で、特段変わった様子はなく、
気軽ではあるが、
ひょっとしたら魂が少し震えたかもしれない。

どちらさまですか？ガンとは心当たりがないと聞いて話を続ける。

ふぅっとため息が一つ受話器から聞こえ——

優しい口調で優しく話してくれているのになぜだろうか、
寒気が向こう側から届いてくるように感じられる。

グイグイひっぱってたらついに怒られてしまいました。
でも怒っているなんて気付かずにのんきに

などと言っています。が、その直後！

いきなり頭に座られてしまいました。
ぬいぐるみは柔らかいクッションの様な座り心地ですがそれもほんの一瞬‥‥

乗られた頭はふにゃりと沈み、少しの間ふらふらしたかと思うと
クロさんの重さでバランスを崩してコロンとひっくり返ってしまいます。

あれから、しばらくの月日が流れた。
だいたい一時間から三日くらいまでの。

彼は向かった。
もう一度、強敵（とも）と戦うため。

その手にはしっかりと、新しい獲物（毛糸玉）が
握られていた。

草陰からこちらを見つめている虎娘がいます。

ふと腹が鳴っている音が聞こえました。

こちらを見ています。見ています。

直前で身を翻して口をかわし一定の距離を取って身構える。

そういって一度思いっきり睨み付けた後——

慌てて美味しい草を引っ込めようとする立方体、、、
自分から話を振ったくせに美味しい草を取られるのも嫌とは
なんとも残念な頭の持ち主である………

しかし鴨さんは鳥である。
さすが鳥類！手よりも嘴が速かった！！
あっさりと美味しい草に食いついて、いくら引いても放してくれない…

強引に引っ張ったら
美味しい草だけじゃなく　鴨さんも一緒に平面に引き込まれ・・・
勢い余って反対側の平面から飛び出す鴨さんと美味しい草。
もはや何がどうなっているのか、、、当人達にもよくわからない。

それでも諦めず引っ張ってみたら

美味しい草はちぎれて半分になってしまった、、、

満足そうに草を飲み込む鴨さんとは逆に　悲しみに震える立方体
葱も反対側の平面で震えている・・・

しばらくして震えの治まった立方体は…
今度は韮を１束取り出して　テキトーに幾つかに分けると

そう言いながら葱を背に少しずつ後退り、鴨さんから離れていく、、、
誰がどう見ても明らかに、ドサクサに紛れて葱を持ち帰る気満々である。

ごくんと飲み込まれた音を聞こえてスィーの額に汗が諾々。
飲み込んだ猫さんは投げつけたマタタビ粉で地面にごろごろしている。

まさか飲み込まれるとは思わなかったスィーはやや放心気味で猫さんの方を見ている。
すると半開きの口からリューンの手やらが見えているのに気が付いた。

引っこ抜かれたリューンは猫さんの唾液で全身がべとべとのドロドロ状態で泣きじゃくっていた。

泣きじゃくるリューンはポカポカとスィーに駄々っ子パンチしている。

ポカポカと叩かれているスィーは流石に申し訳無さそうにリューンに謝っている。

確かに謝って済む問題でもないのだが…ポカポカ叩いている音が徐々にバシバシと重くなっていく…。

おおっと、リューンのフックがスィーの頬にクリーンヒット！
更にリューンの追撃アッパーが炸裂！スィーの意識が朦朧だ！
そしてトドメのストレートで、スィーちゃんふっとばされたー！
空からひゅーんと落ちてくるスィーはそのまま猫さんのお口の中へシュゥゥゥーッ！！
超！エキサイティン！！

猫は咥えていた鴨を解放する！

鴨は葱を振り回しながら 猫から逃げ 敵陣へ突っ込んで行く！！

プツッ…ピー・・・・・・・・

猫は、戦い疲れてへばった鴨を捕獲した。ガブリ。

鴨は首根っこを猫に咥えられ、お持ち帰りされる…

キリッ

昨日追い立てられたノミブリオがびよびよ跳ねてる。

一致団結でシュプレヒコールだ。

ばっ！と腕を振り上げる