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　タンポポ荘　某時刻
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　タンポポ荘　某時刻
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○月△日　　タンポポ荘　自室　　夜
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　サフィニアさんから聞いた話は、未だに自分の中で整理しきれていない。

　ロッテちゃんや、他の皆には、まだ何も言っていない。
　しばらくは、秘密にしておこうと思う。
　私自身にも整理できてないから、うまく伝えられないだろうし…
　それに、皆も攻城戦で忙しいのだから、あまり余計な心配させたくない。
　









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○月×日　　タンポポ荘　自室　　夜
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　「はぁ…はぁ………」



　息が熱い。
　額に嫌な汗がにじむ。
　身体が重い。
　身体の節々が痛む。

　布団から身体を起こし、水を飲もうと、立ち上がる。
　まともに歩くことさえままならない。
　壁を伝うように、ふらふらと歩いて行く。



　…
　……
　………


　
　「うっ……ゲホッゲホッ…！」



　それは急に押し寄せてきた。
　ついさっきまではなんともなかったのに……
　いつものように皆と一緒に戦って、いつものように皆と笑って、いつものようにこの部屋の前で、ロッテちゃんにおやすみって………

　高熱に身体が焼かれているみたいだ。
　呼吸も苦しい。

　背中を、熱を持った鉛が這い上がってくるような…
　思わず、両手で自分の口を塞いだ。









　「っ…！　うぇっ…！！　……！」






　







　…私は、信じたくなかったのかもしれない。
　サフィニアさんの話を、悪い冗談だと、そう思いたかったのかもしれない。
　

　
　でも…



　自分の両手が真っ赤に染まっているのを見て、理解した。
　


　私は…もうすぐ死ぬんだって………



　

　クーリアちゃんの言葉に安堵し、私はクーリアちゃんに抱きつく

　

荷物袋から小さな魔法瓶を取り出してみせる。

なでなで。

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（以下、21日目の練習試合後の会話のつもりです）

練習試合が終わった直後。
誘い出し、2人きりになると、フィーグルは真っ直ぐにクーリアを見ながら言った。

ほら、手を出して、と言いながら片手を取ろうとする。

分けてあげる、と口では言うが、その実、溜めこんでいたすべての魔力を譲渡する気だった。
とはいえ、強大かつ魔王の気に汚染されきった魔力を、そのまま渡すわけにはいかない。
クーリアが吸収しやすいように、可能な限り危険性を排除し、少しずつ送り込む必要があった。
当然、そういった加工をする事自体にも魔力はいる。
送り込める魔力は、彼女が言う様に、多少なり問題を先送りにする事はできるが、問題解決ができる量には程遠かった。

一瞬、悩む様に沈黙して。それから口を開く。

少しだけ、笠を下げる。

訥々、語る。
クーリアを見てから目を伏せる。

そう前置きしてから、

そう言って改めて、クーリアを見つめた。

頭を下げると、前を見据えて歩いていくのであった