ワタシは迷っています。
彼女に彼の意思を伝えるべきなのか、彼の願いを聞き入れて沈黙を貫くべきなのか。

彼は、自分と彼女の二人だけの世界を守る事を選び、悪魔に魂を売りました。
彼女は、たくさんの人々と共に幸福を掴み取る為に、一揆の中に身を投じました。

ワタシはどちらが正しいとも、どちらが間違っているとも判断できません。
けれど、二人の道が交わらぬ平行線である事は理解できます。

ワタシは迷っています。まだ迷っています。
けれど時間はもうあまりないのでしょう。
兵士の彼と、一揆参加者の彼女が、出会ってしまった以上。

ワタシは願っています。
二人が共に幸せになる未来を。

……今のワタシにできるのは、彼女の武器となり敵対者と戦う事だけなのですけれど。