なんだか久しぶりに開けた場所に来たなあ……
空気も気持ちいいし、一揆なんて忘れてしまいそうだ。

連れてきてくれてありがとう、ロロム。

今日の護衛（しごと）はあたいだけ？

…じゃ！おもいっきり走れるじゃん！

“魔女の気まぐれ”……か。
確かにそのほうがスッと飲み込める。

サラダみたいですね。

魔女って不便、ね。
似たようなことを魔鉱物にも言われることがあるよ。

彼等は魔法に夢を持ちすぎているのだろう。
その気持ちは分からないでもないが。

永遠の17歳か。
それにしちゃ、落ち着きすぎていると思うけど。
どっしりと構えているというか。

寿命は普通の月桂樹とそうかわらないと思うよ。
まあ、植物の中では生命力の強いほうではあるのかな。

人間の平均寿命が長い世界では、そうかもしれないね。
僕が今まで訪れてきた世界の大半では、
50代といえば、それなりに長生きの部類だったよ。
平均寿命が40代という世界もあるし……。

メルンテーゼは豊かな世界だし、
老人といえども畑仕事に精を出している者が多い。
長生きの秘訣はしっかりと食べて、身体を動かしていることかな。

う、うーん。魔女さんは手厳しいですね……。

私も、無邪気に知りたいということだけで動いている訳ではないですし、
過去にそうであった研究者達の失敗も学んでいるつもりですから、
そうはならない、なりたくないと思っていますが……

とはいえ、私の研究がもたらすもので、
すべての人が幸せになれると思っているほど思い上がってもいません。
仕事や労力が減る人がいれば、
逆に、稼ぎが減る人だっている。

召喚士の特権である召喚術が、
誰にでも魔鉱物を使ってお気軽にできるものになってしまったら、
召喚士達の恨みを買うことは間違いないでしょう。
彼等の仕事を奪ってしまったようなものですから。

それに対する対抗手段としては……
召喚士の特権を残す、あるいはより強める。
召喚士にとっても、
より高みを目指すことの役の立つ研究ができれば、あるいは。

………。

そういう意味では、
ここメルンテーゼはあまり召喚士の特権はありませんね。
エンブリオとの契約者が総召喚士みたいなものですし。

魔橄欖石は、人間の意思に呼応して力を発揮するタイプの石ですので、
植物の近くに置いておくだけでは、特に効果はありません。
そのあたりは石によっても異なるんですよね、
放っておいても力を発揮しつづける石もあるし……

そうなの。魔法って便利だね。
ふふ、僕にも魔法が使えたらよかったのに。

ああ、ごめんね。ありがとう。
……大丈夫？

カダイエそのものではなくて、その建築物についてだけれど。
僕の父は建築家だったからね。
ううん、そういった資料はなかったから、見つけていないと思う。
それに、僕が刑務所から戻ったら父はもう死んでいたから、話も聞いていないんだ。

ユディタはこれを知っている？
メルンストゥーラというんだ。これはその中の≪芸術家≫のコイン。
綺麗だろう？

だって僕、今はマァムブの中で暮らしているから。
人が何人も入って住めるほどのエンブリオなんて、すごいと思わない？
父が見たらとても驚いただろうな。

もちろん嫌だし、抵抗すると思うよ。
でも僕は彼女じゃないし、彼女は僕じゃない。
僕が嫌でも、彼女も同じ気持ちかどうかはわからないだろう？

人を殺したりなんて、そんなこと、好きなはずがないじゃないか。
……そう、だね。うん、きっと君の言うとおりだよ。
大抵の人には、優先されるべき大切なもの……ううん、例えば、そうだな、愛する人だとか。
そういった存在があるのだろうけれど、僕にとってはそれがあらゆるものの美しさなんだと思う。

……君はすごいね。そう、それも当たり。
でもなぜだろう。そんなに言い当てられると、あまり愉快ではないや。

やっぱりくだらなくなんかないじゃないか。
君の脳の中にあるそんな知識を、君のくちびるから紡がれる言葉で聞くことができたら、僕はとても嬉しいな。

ゴブリン・ドワーフ・竜人、全て本の中にしかいないな。
その話が生まれた国に行けばもしかするといるかもしれん。
でもまぁ、いたら素敵だな、程度の信憑性だよ。

パーティ内唯一の男なのに頼りにならんとかマジヤバイ。
甘えるとかそういうのは別にないと思うけどな。
言ってしまえば、いつもユディタに料理任せているのだって
俺たちの甘えでもあるしさ。

あ、料理といえばさ。大分前にユディタに作ってもらった保存食。
悪魔のスープ、あれ材料なんだっけ。
とにかくスパイシーで具材の味がよく分からなかった。

随分軽装だと思ったら、トルチュに持ってもらっていたのか。
それなら仕方ない…となると、乗れそうなエンブリオと契約だな！
ユニコーンは人を背に乗せることは嫌がる奴も多そうだし、難しそうだ。

城があった頃の統治は…国内での戦が一番多い時期だったからな。
それでもここの王様みたいな横暴をする人はそうそういなかったはずだ。
生類憐れみの令という虫まで殺生禁止なんてトンデモはあったけど。

あ、現代の話だったか？現代は王様はほとんどいないよ。
残った王様も、権威だけ残して権力は民から選出された長に渡されている。
平和かどうかは…国によるな。
俺の住んでいる国は世界の中でも特に平和な分類に入ると思う。

兵舎なのに何もないとかチョー↑しけてる。
女神の園は魚いたっけ…とりあえず獲れそうだったら獲ってくる。
焼き魚がいいな。ちゃんと火を通したの。塩でシンプルにさ。

あー、わかめないかな。海じゃないからないか。
わかめのスープとか味噌汁とか好きなんだけどなー。
わかめご飯も食べたい。
砂地ずっと進んでいったら海に着いたり……しないか。

良いじゃないですか、魔法が使えなくなって、普通の女の子に戻ったりすれば。

言うわけ無いでしょう、僕はあの男が世界で二番目に嫌いなんです。

はははははっ！貴女の口から世界を救うなんて言葉が聞けるとは！

人一人で救える世界なんて、随分つまらないところに住んでいるんですね。

良いですよ、別に。人にどうにかしてもらえるなんて、期待してませんから。

しかし……新王を殺す気だったんですか？貴女。

主役は別に居ますので。何処もこんなもんでしょう？まあ、差別の強い地域ではありますけど。

ええ、行きますよ。体を温めに。今度、一緒に行きますか？

同じ年頃なのか、お婆ちゃんなのかどちらかにして下さい。扱いに困ります。

……一緒の意味が違います。あの男は僕を玩具の様に思っているだけですから。

破廉恥って……そんなんだから一人なんですよ。じゃあ、どんな男が好みなんですか？

そうですね……金魚の糞？

冗談です。子供ですね。綺麗なものばかり追いかけている。

破廉恥の魔女！いい響きだね！気に入った！
黒い森ってちょっとお固い呼び方じゃない？
引っ越しても黒い森なの？

メルンストゥーラ？何それ？

ま、いーや。料理とお裁縫って女子力高いなー。女子か！
まともぶってる女子か！

グリゴリちゃん、シャイだけどいい奴だよー。仲良くしてあげなよ。
ベッドの上の彼も可愛かったよ？

うーん……もう少し他人と共に楽しめるような趣味も
あればよかったんだが、いかんせん学問と魔術にしか興味がなくてな
我ながら困ったものだな……一人で居ても寂しくなったりはしないんだが
真面目だけでもつまらん人間と思われてしまうだろうしなぁ

ふふ、火起こし程度ならお安い御用さ
元々故郷では炎の魔術を専門としていたからな
火力の調節もシェフの望み通りに出来るだろう

単純に友人と飲むのは好きだぞ、ユディタと飲めるなら大歓迎だ
ただあんまり面白いトークは期待しないでくれよ？

難しいことだよ、世界を守るというのは
ここに来てからよく思うが、世界というのは人によって定義が変わるものらしい

それこそ、ユディタや世界間移動によって来た者たちにとっては
存在する全ての世界をひっくるめて示すか
個々の世界ひとつずつを示すかの二種類があるわけだし
自分の国ひとつを指して世界とする人もいるし、
自分の手の届く範囲だけがその人の世界だということもある

俺はどれも「世界」というのにふさわしいものだと思うからな
どれを守るかで人それぞれ行動の大きさも変わるだろうさ

そもそも、全てのものを救うというのは到底無理な話。
人それぞれなにが救いかも違うし、
よかれと思ってやったことが悪い方向に転がることもある

結局、自分が出来ることをするしかないんだよ
俺は邪神の復活を止めて、力のバランスが変わるのを防いだだけだ
それが結果として世界を救ったと定義されただけだと思う

最初はある少女から珍しいキノコを持ってきてくれという
頼みを受けたところから始まったんだ
そのキノコが邪神復活のキーアイテムだったようで
……間抜けな話のように聞こえるがギャグじゃないからな？

俺にもよく解らないままだったんだが、
神の力が宿ったキノコが7種類だかあって、数百年に一度生えるらしくてな
その少女はキノコの研究をしていたんだが、
偶然その神のキノコを集めていたら
邪神復活を目論む奴に浚われて……
結局勇者はその子を助けて結婚したよ
おとぎ話にしてはキノコというあたりが間抜けだがな

俺は最初は珍しいキノコというものに対しての興味で動いていたが
よからぬことを考えている奴が居ると解ってからは邪神復活阻止を目的としてたかな
勇者は最初から最後まで少女を助けたい一心だったかもしれん
他の奴はまた違う理由で戦っていただろうが

……大きなものとの戦い、か

戦うのは辛い。怖いことだってたくさんあるだろう
俺も邪神との戦いの時は怖くなかったといったが、
そこに至るまでの冒険の間は何度もヒヤッとすることもあった
死の危険を感じたこともあったし
相手の強大な力に圧倒されたこともあったよ
俺も何も感じない人間というわけではないからな

恐怖という感情は、なるべくなら感じない方がいいと思うことも多いだろう
だが、恐怖をなくしてはいけない
恐怖は危険を回避するために必要な感情だ
逃げるのは負けかもしれないが、もう一度戦うチャンスを得られる
怖いとは、思って良いんだ

恐怖に立ち竦んで動けなくなってしまったら、
君の友人達を思い浮かべればいい
きっと、勇気が貰えるはずだからな

こうしてみると結構多いな……
だいじょうぶだよね、ロロム？

"アヴリラル　メルンテーゼ……

　ドーラ　プロドプロイ
　ケットシール　トルチュ
　ヒクシール　ヒェロナ
　ザントマー　グーイ"
　ザントマー　グーイ"
　ミ・ドラコ　ソルエファー"

……さぁ、始めようか

タマシイ　トノ　オウセガ　オオイナ…

…ま！いろいろ集まってるし！

お疲れ様でした。

…スッキリした？

これ以上ここにいても何もない。
次へ。

れっつらご〜♪

あからさまに置いてある……

きゃっほ〜♡
お宝？お宝？？

どうぞよろしく。
とはいえ動物をいじめるのは性に合わないな……

……さぁ、始めようか

よっろしく〜☆

さて、売り物にするとすれば・・・・・・

ちょっと運動させてや。