なんだか面白いことになってる。


何か用事があるらしく、何やらロロムが1人で何処かに出かけてしまった。
じゃあ3人でどうしようかという話になり、
シアは山へ、
私とアキトは川へ洗濯に……ではなく、兵舎へ。

本来ならば私達は兵舎の前線にいけたわけではないのだけど、
本陣の掲示板でそこまで連れて行ってくれる人をみつけたのだ。
そして、今アキト2人と合流場所へ向っているところだ。

最近忘れがちだったけど、このパーティは"私の護衛"ということで集まったんだった。
アキトが「一人でも護衛は任せろ！」と言っていたのが、頼もしくもあり、そうでなくもあり。
（だって、まだたったの……いくつだったかな。17？18？頼もしいと思うほうが、難しいというものだ。）

前を行く彼の背中を見ながら、そういえば私はこうして男性とふたりきりで行動することは久しぶりなんじゃないかと思ったのだ。
いや、遠い昔あったような……

すっかりすすけて、わからなくなっている。

　

　

　

特に気にする様子もなく、記憶消去ハンマーを差し出す。
……一見普通のトンカチにしか見えないが、何らかの科学的機構が組み込まれているような
気がしないでもない一品だ。

　ダメかしら？という風に首を傾げて見せた
　救済が失敗した？という言葉には少し考えるようにして

目を閉じ、呼吸を調えて神経を集中させる。
早口に異国の歌のような言葉を唱え始め。

ふわ、と風が彼女の周りにまとわりついた。
大鍋が魔女の前に立った。