海に日差しが降り注いでいる。

カタリナは友人の手伝いにと、海の家で給仕のしごとをしている。
ケチェもそれについていったようだ。

ラァギットは手持ち無沙汰そうに海辺を歩いたり小さな蟹を眺めたりしている。

僕も基本的にすることはない。

することがないだけで何もしなかったわけではないけれど。

貸し衣装屋があり、格安で麦わら帽子とビーチチェアを借りることが出来た。
衣装屋のフェルハトは「こんなのしか残ってなくて悪かったな」と言っていた。

何が悪いのかわからない。

海に潜らず日差しを浴び続けるより悪いことじゃないはずだ。

気づかなかったけれどどうみても女物の、群青色の麦わら帽子を被り

適当なビーチチェアを広げて楽な姿勢をとる。

人の子が働くさまを見ていてもそんなに興味が湧くわけじゃない。

ただ、削った氷にシロップをかけたかき氷は美味しかったから、いい。


日が沈み始めた。
カタリナたちも店じまいに向けて仕事を切り上げ始めている。


そんな折に海兵姿の一揆参加者達が旗やボトル、グラスを持って少し先を通りがかる。

「只今フリント領のシャンパンを配っています。
　メルンテーゼ北方の名産ワインを是非ご賞味あれ！

旗を持って歩く男、ヘクターがそうふれまわっている。
名産ワイン。興味をそそられ、そちらへ向かう。

「やあ、ここで"しゃんぱん"をふるまってるときいたんだ。一つもらえないかい？」


お借りしました：
Eno.71 ヘクター・ブレイズバース さん
Eno.550 フェルハト=クトラ さん
Eno.1245 カタリナ・オルカグランデ さん
Eno.1246 ラァギット さん
Eno.1233 ケ・チェスポレカ さん

この地勢は飛びにくいのかケチェは眉をしかめて。
　

そう告げる。
仲間が上空からの同行を許せば、空を行くだろう。

アジからの指示を確認するとドラゴンよりも高く飛び——

羽を打ち鳴らし、空からゆっくりとケチェが降りてくる

捕食できる陸上生物なのか、むしろ鳥を獲って食う側の陸上生物なのか…
見極めているところなのかもしれない。