万已楽の拠点の使用状況を実際に確認したのでここに記録する　　　　Eve.Line

　万已楽はたんぽぽ荘と呼ばれる空中に浮遊する物件の一室を攻城の拠点とし、ここでの活動を行っているらしい。
たしかに空中に存在するのなら魔王側からも攻めにくく安全なのかもしれない。一体どういう原理で浮いているのだろう？
このたんぽぽ荘には他の一揆参加者も多く住んでおり　情報を共有する場としても有用だろう。

　万已楽の部屋の使用状況についても記しておく
　まず部屋の半分は占領している巨大な水槽。中には水棲のエンブリオやらどこかから拾ってきた貝や植物みたいなものも入っていてなにやら賑やかな水槽になっているようだ。水面には花のようなものも浮いていて（万已楽はあれはネクターと言っていたが）、どうにもその花の魔力が水槽の中の水に広がり、この水槽は私達メリアルール型が休眠してエネルギーを補充するのに適した水になっているらしい。
「エンブリオもネクターの恩恵受けれるから無駄遣いじゃないよね！？」とか万已楽が言っていたが…大丈夫なのだろうか。

　残り半分、水槽じゃない場所の使用状況についても触れておく。こちらには主に陸上で生息しているエンブリオ……現状だとオコジョとホワイトタイガー、あと万已楽曰く「見えざるピンクのユニコーンがこの辺にいます！！」とか言っているが、この子には何が見えているのだろう……見えないのにピンク？しかし実際に触れようとしてみると確かに馬らしきものがいるようだ。
　他にはメリアヘイルとメルンテーゼで通信するための装置がどーんと目立つように設置されている。例え目立っていても認証による機体判別が出来ない限り他人に使われることはないので特に問題はないだろう。破壊される可能性については……装置の耐久度からいって心配はしていない、そもそも世界間移動の空中からの落下にも耐えられるようにつくられているのだから。

　他に特に目立つものは今のところ見当たらない、それにしても見えないユニコーンが鬱陶しい……作業中にツンツンしてくるのはやめてほしい。

　先日万已楽にエネルギー頂戴と言ったが、この環境ならそんなことをしなくても水槽で休眠してれば活動する分には問題なさそうだ……オコ質の意味はなかったのだ。新しいメリア鉱石の扱いに万已楽も戸惑っているようなので、もう少しゆっくり経過を観察することにしよう。

　猫をおっかけまわしてるらしい

　なんだかものすごい感心した風に息を吐きながら、
　ポポロは目を輝かせてマイラの説明に聞き入る。

　どうやらポポロの中では、人の泳ぎができないイコール泳げないらしい。
　そして、タンポポ荘のプールのことを言われると表情をほころばせて、

　物凄く今更である。

魔力があって初めて戦力となり得る魔法使いは、それを喰らえる星喰いにしてみればただの獲物に過ぎないと分かっていながら。それでも問わずにはいられなかった。