「…あー、そういう見方もあるわけか…カニバリズム、ねぇ。
俺達獣人の間じゃあんましそういうのは気にしねぇってヤツの方が多いかもしれねぇな」

「そうだな、魔法、魔術の発展に必要なのは柔軟な発想だ。
魔法の発明は人間以外も…例えばエルフやドワーフ、フェアリーとかだって取り組んでるし
そういうトコから吸収していくのも有効な手段なんだろう。
…尤も、そういう発想ができるのは人間だけ、人間ならでは、って言われちゃいるが」

「魔法は必ずしも万人に対して同じ効果を齎さない、か？
…お前さんの話を聞いてると本当に魔法は使い方次第って強く感じるぜ」

「ほーう。やっぱ味、っつうかそういうモンはあるんだな…
内容が濃い本は何となくどんなモンが対象なのか想像付くが
味気ない本ってのはどういうタイプのが当て嵌まるのかちっとばかし気になるな。
ページ数と内容は比例しねぇだろうし…三文小説とかそういう感じのヤツか？」

「なるほど、本質的には異なるモノでも
同様の能力を持っていればそれと同等の扱いをする、か。
別の世界に行っても役に立つ道具ってのは大抵そういうモノだしなあ。
その様々な世界を紹介した本ってのにもしかしたら情報が載ってるかもしれねぇな…
俺もちっとばかし興味がある、見つかったら少し見せてくれや。…齧る前にな」

「旅行ガイドか。…どういう紹介されてたのか気になるぜ…
俺の"世界"ではメルンテーゼは『最近発見された世界』だったから事前情報も殆ど無くてな」