——地下牢。砂地を進んで程なくの場所にあるらしい、空っぽの場所。
此処からも城には入れるらしい。昔やった何かのゲームを思い出す。
今回の同行者は二人。先導するのは白石亭のマコト君じゃない方、もう一人はそちらと縁があるらしい背の低い(間違っても口には出さない)少年。

共通点は二つだけ。全員物理で殴る側で、かつシルフを連れている。

「仲間がいっぱいだね」

そうシィルに話を振ると、少し眉をひそめた。

『……あれもか？』

視線の先には、ぐるぐる回るボーリング玉がいた。

「ところでさ」
『無視か』
「此処にも誰かいるのかな。私たちが会った兵士とか、うわさに聞く庭師みたいなの」
『さあな。嫌な匂いは漂ってくるが』
「鼻がいいんだね」
『…………もういい』

軽口を叩きながら進む。他のメンバーとも仲良くはしたいのだけれど、気軽に喋るとなるとちょっと難しい。
それでも適度に雑談したり、エンブリオ自慢をしたりしながら先へと進んでいった、その末には。

「司教って言うけどさ。どっちかっていうと破戒僧に見えるよね」
『……ふん、死霊使いか。横のキョンシーはまだ使えそうだな？
アレはリヴィにやろう。アイツはまだ、未知の可能性を秘めている』
「それじゃ、さっさと例外として通してもらおうか」

手に持ったボトルを見つめ…いや、睨みつけたようにもみえた。