「　賞　金　首　じ　ゃ　な　い　か」

今日も今日とて一揆という一日の活動の中で重きを置く参加している物の準備をしようとしている時。
零落、という名の兵士の感情の篭ってない、しかし嫌な予感はさせるフレーズと声音にシンシアは視線を向けた。
その側では、彼には少々似つかわしくないが最近その組み合わせも可愛いじゃないかと思わせるおこめつぶ達が
どやぁ！どやぁ！と自分たちがしてきたであろう仕事を自慢気にその零落という男に自慢していた。

そ、と零落の側へ寄り、練習試合相手を見てシンシアは初めて。
本当に同行し始めて、初めて可愛らしいと思っていたおこめつぶ達を見て絶叫した。

「とりおんながおこったぞー　わー　こえー　ねこかぶりかよ　こえー！」
「取り敢えず落ち着こう」
「敵のもほうはこうやって、こうやるんだぜ」

怒鳴り声もへっちゃらさ、と言うように、おこめつぶ達は気にせずきゃっきゃと楽しそうにはしゃいでいる。
いつも通り、我何を物ともせずという調子だ。

「とりあえず…話し合いしましょう…。今回は練習試合の相手ですし…」


おこめつぶの1人？から熱烈にプッシュされてる事案を律儀にメモしながら零落が声を掛けた。
気のせいでなかろう、彼の声が今迄で聞いたこと無いくらい感情の篭ってない弱々しい声だ。

その声に零落の動きが止まった気がしたけれど気にしない事にした。
練習試合、と呼ばれる手習い？ではつい使い慣れた物を使っていた。

「あ、はい…。そうしていただけると大変嬉しいです…。」

弱々しく答える零落の声と、何とも言えない表情で自分を見るジェイの視線を痛々しい、物凄く痛々しいと感じつつ
今しがた纏めかけていた自分の荷物を手早くまとめた。


自分の隣を、『あららー、大変な事になっちゃいましたねぇ。ゆっくり眠れないじゃないですかー』
とシルフィが欠伸を噛み殺すこと無く大きくかましながら行く姿を見て
若干の不安を抱いた事は自分だけの秘密にしておこう…、と思ったのだった。


けれど、隠しても意味ないかな？と思った事も秘密にしておこう、と
進む1日の日程合わせの中で、シンシアは漸く1人考える事を終わらせた。




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物凄いさらっとですがPMの零落さん、ジェイさん、シルフィさんをお借りしました。

遠く、見据える視線は思いっきり泳いでいる。

シンシアの取り出した書物の絵を見て、「ああ」と反応を見せる。

ぴん、とひとつ米弾き。
金属と白米が擦れ合い、沙羅沙羅と音を響かせる。
特にないであろう欲念や思惑。
感情の赴くまま気の向くまま些か愛のままに我儘に、
こめつぶたち——＜ぶれいくだんす部隊＞——はくるくると回って釜底を跳ねる。

慣れた所作が、落ちゆく一匹を手の平と指先の間に閉じ込める。
いささか鷹揚に、いささか繊細に。
ぺしん、とポーズを決めるこめつぶががいた。

所作に滲むは達成感か充実感か。
いろいろ諦めた零落がゆっくりと頭を振る。
‥所詮はただの練習試合。
常軌で測れば、半々でしかないはずの結果。
けれどその所作はあまりにも重々しかった。


　　　　——　　Ⅰ.たりおラ　＜ラら＞　

引かれるでも促されるでもなく一匹の犬が従いてくる。

散歩の邪魔だと思ったらしい。

いぬ　は　いささか　不機嫌だ！