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"魔導人形は夢を見る。"
人間が見るような不確かな並行世界ではなく、もっと正確で写実的なもの…
鮮明さ、強烈さに左右されず、ただ一から十を"記録"したもの。
その記録を最適化する作業がスリープ・チャージ中に行われる事から、その
映像記録を"機械の夢"と表現する者が多い。

一切の感情や希望を排除し、真実をありのままに読み返す。
その記録が自分や自分の管理者に必要かどうかを考え、不要なものを排除する。
只管、淡々と行われる記録の整頓を、夢と呼ぶのはなんと皮肉なものだろうか。

「食べる機能はついてないでしょ」と苦笑いしながら、彼女の頭をそっと撫でる。
エルフィリエや他の世界であっても、基本"彼女達"は人間に危害を加えないように
設計される。それは自衛であり、所謂モノであるからであり、下に位置しているから
である。と、人道的な見地に立っていることで有名な政治家が話していた。
所詮、機械というものは扱うものであって、対等な存在ではなかった。

もしかしたらたべられるかも？と首をかしげるあたり、人間とさほど変わりないのだが
耳や、むき出しの機械関節などを見るとやはり機械なのである。

エルフィリエの技術からしたら、1から100までの外見を人間そのものに作ることは
十分に可能になっている。それは髪や、皮膚、血管に至るまで、本気で作ってあれば
見分けの付かないレベルである。しかし、法はそれを許さず、機械であることを
一目で区別できるように、緊急的事態であれば誰もが躊躇なく破壊できるように
設計する義務を科した。


「この世界だったら気にしなくても良かったかもね…」


いくら調べても、エルフィリエにはたどり着けないように作ったのだ。
だから、そんな法律を守る必要もなかった。法律の手が差し迫ろうと守るくらいの
気概で作っても良かったのだ。

先ほどの言葉を受けて、不思議そうにしているアスタルテの頭をまた軽く撫でながら
所詮自分もこの子をどこか見下しているのだと、道具のように扱っているのだと
否が応でも感じざるをえない。








主人が久方ぶりに眠りについたのを見て、自分もスリープに入る準備をする。
この世界であれば気にしなくてもいいこと、その言葉は理解できる材料がない。
しかしその後のご主人の笑顔はどこか寂しそうで、謝られていた気がした。

自分が何かをしてしまったのだろうか…いや、そうだったらもっとわかりやすく
ある気がする。とても単純で、明快な子供という認識にあった感情の変化を
きっと見せるだろう。

「マイスターニハ、アシタ、オ礼ヲイッテオキマショウ。」

あの表情には、きっとそれが正解。理由は分からないが、そう感じた。



※材料が集まったため、今回は幕間です。

ひょろろろ(効果音)

引っ張る髪を別にふりほどこうとはしてないように見えるリバラさんを見ながら言い関係だなーっと

渡された紙袋からおむすびを取り出し、食べる。
口にしたのは「鮭＆牛特上ハラミ」の方だった。

レベルがマイナスに突入してないだけまだ良かったようだ。
次に、「麦飯」を頬張る。

そう言って「麦飯」を完食するサイネル。
それからしばらくわなわなと震えた後……

サイネルは予想外の方向で苦しめられている！！

……。(数分後)

　ジャックはエリュティアの天然な反応を良いことに危険なことをのたまった。

　犯罪だ！

　・

　・

　・

　幾らかの時が経ったか。暴言のほとぼりが醒めたと思ったか……

　ジャックは本当にエルの元に忍び込んでいた！

　ジャックは何かを見つけた様だ。

(そう口にしてからリバラと視線をかわす。１，２，３……)

(黒い気配を感じて一度撤退するようだ)

メグは頬を真っ赤に染めながら、少し恥ずかしそうに もじもじ としています。

なんだか決まりが悪そうです。

アルはそんなメグを一瞥すると、わざとらしくため息を吐いてみたりなんかしたりして、
あるじの介在しない、従者同士の会話に花を咲かせます。

そう言って、眼前の機械人形に倣うかのように、タバコの煙をくゆらせるがごとく息を吐いて見せる。

……が、むろんこのアルもタバコは吸えない、というより実年齢も人間換算でもそもそも未成年者だ。

そう言って、ほんわかほんわかした空気を醸成している、傍らで姉妹のように燥ぐ二人に視線を向ける。

たぶん、これまでの展開から言って、実年齢的にはメグの方が上だというのが判明する頃だろうけど、
メグのあの様子だと、まったくそうは見えないなー、なんて、ひとり思いを巡らせてみたりする。

そうしているうちに、メグがきまりを直して、こんなことを言い出す。

メグが瞳をキラキラさせてエルの言葉を待ちます。

4D20 = 28 ( 1 10 16 1 )