【今回メッセ整理を行ったため、メッセの遅れが出ております。次回必ずお送りするので、ご容赦ください】










——追憶が、途切れた



ガチガチガチガチ、ガチ、ガチガチガチガチ、ガチ…

ちょっと嫌そうな声。
ああ、この声は、何か怒られる心当りがある声だ。
見れば、何所で見つけたのか、椅子に腰かけて思いっきりくつろいでやがった。

今は証拠が無いので、とりあえずクギだけ刺しておく。
うげー、という声が聞こえた気がするが、意に介さない事にした。

ガチガチ、ガチ、ガチ、ガチ。ガチガチガチガチ…

『微睡』にさんざ遊ばれたから、夢はもうこりごりなんじゃなかったの？

興味無さそうに、ぽりぽりと頭を掻いて、そわそわと窓の外を見ている。
せめて思い出そうという素振りくらいは見せられないものなのか。
まあ、良い。そっちがその気なら

窓の外を一旦諦め、椅子に座り直す。

質問の意図を汲み取り、彼の腰掛ける椅子を見る。

どこぞの貴族の館にあった豪奢なソファを２つ、召喚する。
モノが良かったのでかっぱらったのだ。

ソファに身を鎮めながら、問われる。
私も向かい合わせのソファに腰を下ろしながら、答えを返した。

追憶のピアスを手に取る。
追憶が止んだ。けれど私の手の中には、今なおこのピアスがある。
今の私ならバックアップも簡単に作れるから、特に惜しいとは感じない。

私に微笑んで、ピアスを私へと手渡した————





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【一揆29日目】

恐ろしい、怪物の夢を見た。
恐ろしくて、恐ろしくて、震えながら目を覚ました。
でも、何よりも。涙に霞んだ私の手の中にある、硬い鉄の感触が何なのか、考える事が恐ろしかった。

口にして、しばらく沈黙。
すごく棒読みです。

自分の口に出した言葉の意味がよくわからないという風に、首を傾げて。

ちょうど真逆の疑問をもって、尋ね返します。

◆

頭をぽふぽふされながら、ほふーと溜息をつくアムルでした。

◆

その人のことを大事そうに、嬉しそうに話すほど、やはり言葉の端に気になってきて。

やはり聞かずにはいられないのでした。

◆

理由はわからないけど、人として強くなりたいのかなと、なんとなくそう思ったのでした。

そう言って、ぺこりと改めて挨拶をするのでした。

　悲しい、という言葉に同意する様に、トカゲも嘆息した。

　大したものも無いが、と呟き少々思案を巡らせる。

　乱心か何かは知らないが、民を徒に苦しめる王など不要。だからこその一揆である。他種族の交流などにも憂慮するフィーグルの方が余程王に相応しいとも思った。

　やはり外界について知らねばならんな、とこぼし。

　何故か商品プロデュースへと思考が移ってきている。

頬を撫でられながら照れ照れしつつそんな事をのたまっている。
照れ隠しのつもりなのかもしれない。

妄想を繰り広げている所に声を掛けられて、ハッと現世に戻ってくる。

魔法について説明されるも、やはり少し難しそうな顔をしている。
引き起こせる事象はイメージ出来ても、方法についてはまだ想像できないようだ。

るみゃはしまった、と一瞬言葉に詰まるが、表情を見て納得した様子だ。

うんうん、と頷く。

余程嬉しかった思い出なのか、テンションも上がっている様子。

目の前に浮かんだ疑問を口にしただけなのか、それ以上の問いを避ける為だったのか、
動きのない表情から読み取ることは難しく。
ただ、カゼヨミという言葉を出した瞬間、細い肩が強張り、
風精の少年が返答に困るように眉を下げたのは、見て取れたかもしれない。

座ったまま少女を見上げる契約主の視線の外で、風精の少年が自分の両腕をびしっとクロスさせる。
ばつ。ばってん。今はその話は出さないで欲しい、とでも伝うように、真摯な視線と共に。