攻城に関しては、あれから殆ど変わりはない。

強いて言えば、装備の作製依頼が来るようになったことか。
ただ、武器の作製というのは、あまりやったこともないので
不安だったのだが、「エンブリオ」というものの力を借りて、
その辺りはどうにかできている。

仕立て屋なのだから、衣服の製作を主としたいところだが、
こればかりは、どうしようもないのかもしれない。

攻城となって、着飾ることを選択する人なんて
そんなにいないだろうし。

でも、プライベートで使う衣服の依頼なんかも、
今後受けていけたらいいな、と思う。

この世界に、いつまでいることになるかは分からないけれど。

星屑の小川。その流れの中にある飛び石を足場にしながら少女が近づいてきます

三歩ぐらいの距離で停止すると、そういって頭を下げました。

地べたに帽子が届かん勢いで男が頭を下げる。
それでも全く落ちない帽子は頭に張り付いてるようだ。

胡散臭さ満点だがやはり嘘は言っていない。使命、などと口にすると背中がむず痒くて仕方ないが。

あくまでも仕事の話から逸れずに続ける男であった。