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○月×日　深夜
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　たんぽぽ荘の一室、クーリアがベッドに座っている。

　そして、クーリアの近くではラランがふわふわと浮かび、少し離れてシ・ドゥが壁にもたれかかっている。

　上機嫌なラランに対して、シ・ドゥはどこか居心地悪そうに、腕を組んだまま壁に寄りかかり黙っている。

　ラランが何のことを言っているのか、私には見当がつかない。

　そもそも、私には『魔力』に関する知識が殆ど無い。

　エンブリオの力を引き出すには魔力が必要ということは聞いた。
　私が今まで使ってきた魔術も魔力を使うことで発動するらしい。

　ただそれだけの知識しかない。
　その魔力がどんなもので、どうやったら強くなるのかとか、私は全く知らない。

　ちらっとシ・ドゥの方を見る。
　シ・ドゥはラランの疑問の答えを知っているだろうか？

　シ・ドゥはクーリアの視線を受け取ると、少しの沈黙の後、口を開いた。

　シ・ドゥが壁から離れ、ゆっくりとクーリアのもとへ近づいてくる。

　クーリアが何か言うよりも早く、ぽんっと音を立てて、シ・ドゥの姿が消える。

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○月□日　某時刻
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　『ご両親は？そういう姿だったんじゃないの？』



　それは普通に考えれば不自然なこと、それを当然のように受け入れてきたんだ………



　私が、私だけがこういう姿だった………



　私の、お父さんと、お母さんは………



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○月△日　某時刻
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　ロッテちゃんと約束して数日、私達は湯屋へ来ました！

　私のわがままで個室風呂にしてもらったんだけど…
　うぅ…ロッテちゃんとはいえ、やっぱりちょっと恥ずかしいです……

　と言うか…ロッテちゃんが素敵すぎて恥かしいと言うか……
　なんとなく情けない気分になります……



　そんな気分で居たら、ロッテちゃんが背中洗ってくれるって。
　確かに私の羽や角は少し洗いづらくて、たまに邪魔だなって思う時もある。
　そんなところまで気を使ってくれるロッテちゃんは凄く優しい。
　
　凄く嬉しいんだけど、でも私の羽や角は触られると少しくすぐったいから…
　人に頼むのも少し不安。

　…あれ？
　ロッテちゃんどうしたんだろう……
　なんだか、凄く顔が赤いような……？

コルリの周りにほのかな火がまとわりつく