地面へと落ちた右脚は、闇に沈むようにして消えてゆきます。
人の姿を無くしたミオは、一体どこが本体なのか、見当もつきません。

少女の声色にも似た、しかし明らかに人間の声ではない異音が、何かを囁きます。
何を言っているのか、その内容までは理解できそうにありません。

吸精を試みれば、魔力を吸うこと自体は可能なようです。
しかし、そのあまりに膨大な魔力の前に、まるで海の水を柄杓で掬っているような感覚に陥ります。
そして、吸えば吸うほどに、狂気に満ちたどす黒い魔力が、あなたの精神を蝕んでゆきます。

少し考えて、一旦その場に寝そべった。
寝そべることで、亜竜の腹部にも容易に飛び込めるようになるだろう。足元よりかは、こちらのほうが幾分も暖かそうだ。

堂々とした態度で繰り返している。
微塵も後ろめたいものがないようだ。

桁がおかしい

○ちなちゃんの過去話

　目がきらきらしている。

　その時は是非近くで眺めてみたいものよのう、と預言のように狐は囁いた。

○妖精の森の話

　羨ましい話じゃ、と呟いて。もっとも妖精たちに弄ばれるのは遠慮したいところだが。

　どんな薬を飲ませようとしておったのじゃ、と冷や汗を垂らしながら。

○いーちゃんのこと

○宗主の話

　先生役には向いていそうじゃが、と妖精に振り返る。

　もっとすごい妖精がいるのかと思うと。

○髪の毛の奥の話

　軽く現実逃避しつつ。

　では楽しんでみるといよう。軽くウィンクをして、狐は一歩目を踏み出した。

○べーちゃんの話

　抵抗できてよかった、と心から安堵しながら。

　ひどい狐である。

○酒席での話

　でも、人格崩壊の危険もあるんでしょう？

　そこまで呟いたところで、脳裏に声が響いてくる。
　感覚に直結する"他心通"の力を乗っ取られたかのようで、混乱と困惑が心を締めあげた。
　しかし、相手がフェウであれば警戒しても仕方ないかと諦めて、肩の力を抜く。

　田舎生まれの狐と違い世界観が超然としているため、どこが驚くべき点か見失っている模様。

　尋ねながらも、魔法陣の模様形式を心に写し取る。想像内でも、うっかり呪力を通してはならんなと慎重を期しながら。
　この狐、使える術と理解したら何を犠牲にしてでも試しかねない性格である。

　そう告げると、狐は胸を押し付けるように密着して唾液で濡らした指を</I>ピーーーーーーー</I>。
　誰だ、ご主人様が出来たからそういうことはやらないって言ったのは。あっ、私だ。

　もっとも未来はわからない。主殿を看取った後、ちなちゃんの故郷へ遊びに行き何かしちゃう可能性だってある。
　その時はその時じゃのう、と狐は楽しそうに笑うのだった。

　　　
その「妖精」を恐る恐る口に含んで味わってみる…　　

うーちゃんが放電現象を発生させ、落雷のような轟音（と可愛らしいシャウト）が響く。
それに驚いたかのように、わらわらといくつかの影が飛び出してきた！

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

妖精の魔力で宝玉を作製し、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！