皆が寝静まった刻、何時も二匹は話す。
いや、話すというよりただ寄り添い焚火の番をしたり見張りをしている。

オドは基本的に物質に触れない為、他愛の無い話を振ったりするが大抵は今日あった事。
その話す様は仲の良き人同士が寝る前にするうつらうつらとする話の雰囲気に何処か似通っている。

移動が続く中、砂地でさり気無く拾った乾燥した木を元に焚火の番をしている。
仲間は勿論、コモドも土布団を敷いて寝息を立てている。

夜の森はたまに思い出したかのように獣の鳴き声が木霊するだけで、あとは吸い込まれそうな闇が広がる。
ジェイクはこのような状況の時、目を瞑って突然の襲撃に備えて安座をする。


小雨が降ってきた。
焚火の火はやや弱まるのを防ぐ為、蕗によく似た形状の葉を地面に刺し乾燥した木材も其処に置く。
ジェイクは雨に濡れながらポツリポツリと呟く。

顔の向きを変わらず焚火に照らしながらオドは応える。
その様子は白い発光体である筈のオドの横顔が紅く見えさえもする。

特殊攻撃とはアルミ缶のような形状の敵が使ってきた捨て身の技の事だろう。

白虎拳の習得時代を顧みているのか少し遠目に呟く。
暫くその体制で目を瞑っていたが小雨が止むと詩を綴る。

自分を奮い立たせる詩を綴り終えると立ち上がり武器の点検をしにコモドの元へ行く。
ソッと手を置き起こすとゴシゴシと眠そうに目を擦る。

　血に飢えた眼差し。
　意識したことはないが、やはりそう見えるのだろう。
　自分が闘争を好む種族である事は、己自信重々承知している事だ。

そしてふと。会話の途中で現れた、白い灯火の様な火を認識する。

　オドと名乗ったエンブリオに、ゼゼは一礼する。

期待に満ちた目をしている

一応区別は付いているらしい
もふもふさんの中で区別が付いているかは微妙なところである