行く当てを定められずに彷徨う私たちは、心の在り処も見失ったまま。

まるで時間が止まったまま、それでも何かが決定的に壊れゆくような感覚。
心臓が、心が、軋んで砕けるような音を上げています。

どうすればいいのかな。
あの、私たちが出会ったばかりの頃のような、まだ歩き始めたばかりの頃のような。あんなひとときを、取り戻すことはできないのかな。

そのためならば、いくらだって私は獣になる。
いくらだって立ちはだかって、この身が裂かれてしまってもいい。
眼を失い、四肢を断たれてしまってもいい。

私は、私は欲張りなんだろうね。
私には、大切なものが多すぎる。
憧れるものが多すぎる。

人間になることを諦めていれば、もっとうまくやれたのでしょうか。
儚いものへの羨望を捨てていれば、もっと強くなれたのでしょうか。

どうか……どうにか……。