俺は戦場での仕事よりも、商隊の護衛の仕事を受けることのほうが多い。
馬車だったら目的地まで乗せてってもらえるし、商人の話を聞くのは面白いし、何より、戦場より危なくないし。


それと護衛よりは少ないが、たまに道案内（兼護衛）の仕事もする。
いろんなところに行くおかげで、多少は各地までのそれなりに安全なルートも知っているからだ。
危ないところや安全なところが分かってる分、けっこう気楽で済むし、普通の護衛よりも料金を上乗せしてもらえることが多い。
とても素晴らしい仕事だ！




だが、道案内は道案内でも、安全じゃないところへの道案内の仕事もある。
それが今日。今話題の城内のそれなりの奥に２名をご案内。
いや、３名？でもナスルは道案内兼、一緒に護衛をしてもらうってことになってるから２名でいいか。
雇い主は事典亭で会ったシア。それなりに報酬をもらう約束になっている。
で、もう１名はゼゼ。ゼゼは……。
誘ったというか、たまたまいたところを捕まえたというか。
一度戦ってるところを見たくて、せっかくだから一緒に行かないかと誘ったらのってくれた。ラッキー！


いやいや、こうしてワクワクしている場合じゃない。
ちゃんと仕事は真面目にやろう。うん。
…………可能な範囲で。




※お借りしました。
ENo.87 シアー・スティッグ
ENo.510 ゼゼ・レプト
ENo.2398 ナスル＝アイン

額に手を当てるがすぐに離してそう答える。表情にはやや疲労の色が浮かぶ。

ヴァルの誓いを静かに聞き、失礼かと言われれば首を横に振った。

背負った弓を手に取り、同じように相手の方に傾けて言った。

知っている、の言葉に近しくも遠い意味を感じながら、そう尋ねる。

どこか力無く笑った。

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事典亭より——

それからヴァルにツケたブレスベリーを一杯、グラスに注ぎ、掲げてから呷る。（コミュニティへ）

『すごく怖い人』では無いものの、
『そこそこ怖い人』なのは、曖昧にしておくことにしたらしい。

　初対面のことはあまり思い出したくないらしい。そんな言い振り。

　仕事で立ち寄ることが多い、との言葉に。
　ただ、商いをやっているようにはあまり見えなくて、窺うように彼を見た。

　と、そう言う口ぶりは、どこか誇らしげだった。

　イェジは口が悪いからね、とくすりと笑って返す。
　不意に現れた小さなトカゲに、目を瞬かせた。

　ちらちらと炎が舞う様子を、じいと見た。

　割と業務的な内容である。