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楽しそうに黒うさぎと戯れるメグを横目に、ミオが乱れた魔力を整えます。
やがて近付いてきた地上の、白いうさぎの目の前に浮かびながら。

そして、メグの方を見ると、その翳りのある表情にやや困惑の色を見せます。
昼の状態であるミオに、これ以上浮遊を続けるだけの魔力はありません。
少し、何か考えたような素振りを見せましたが、やはりメグのそんな表情は見たくなかったのでしょうか。

そう言うと、メグと左手をぎゅっと強めに繋ぎます。

その瞬間、魔力の奔流が起きたかと思うと、重力に弾かれるかのように、二人の身体は一気に空高く舞い上がります。
その高度は、さっきまでよりもずっとずっと高く、雲にも手の届きそうな、街並みが芥子粒のように見えるほどの高さです。
きっと、使えるだけの魔力を使って飛んだのでしょう。
得意気にメグを見るミオの顔には、さっきよりも濃い疲労の色が浮かんでいましたが、
心なしか、ミオ自身もその状況を楽しんでいるようにも見えます。

そして、メグの目を憚るように身体の後ろに隠した右手の袖の下は、すでに人間の腕の形を保ってはいないのでした。

　クロエはメグの全身を眺めながら、そんなことをつぶやく

　クロエは大げさに驚くような動きをしながら、話を続ける

エルの愛娘、という名のロボ「アスタルテ」は意外と早く見つかった。

容姿そのものは少しの違いはあるものの同じようで、耳のカバーだけが
大きな違いのようだ。エル譲りの赤い髪も人工毛には見えず、人間そのもの
と言っても過言ではないほどの作りをしている。

そして、そのロボは暴食していた。

今もなお両手に食物を持ちながら器用に食べ歩きをしているようで、栗を
使った食べ物を見つけては買って食べ、美味しかったら追加するという
行動を繰り返している。

そうしてる内にいつしかメグ達に気付いたのか、駆け寄ってきてじーっと。



(エルは帰ってきてますが挨拶回りの旅にいっているのでもう少しだけアスタルテです)

メグの語りに、時折相槌を打ちながら、黙って耳を傾けていた。
それから、話を聞き終えて。

一気に聞いたので、頭が少々パンク気味な様子。

アニマのことだとは気付かないようで、首を傾げた。