余裕も猶予もない。別行動は、流石に不安は残るけど。
　何かしら、見つけておきたい。
　……何か渡しておけば良かったと、今更。
　
　落ち着くまで、本に任せる事にする。余裕削られるのが結構きつい。何かしら道でも場所でも見つかって、進めれば良いけど。
　実行命令だけ書いておく。
　
　
——————　————　　——　　　—　　　　—
　　
Lss "Coll-reehd" /- SSAL, MICA fen dj TUIK -// Ovs.
　
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　他特記事項無し。オアシスから先へと向かう。
　
　
　
　
　
　
　
　
　

自身の色違いの目を見ていた小さな生き物が、頭を掴まれてその男の外套へ吸い込まれていく。
視線は生き物が潜り込んだポケットから、かの男の翡翠の瞳に移った。

瞬く紅の瞳はまっすぐに。白濁る右の瞳だけをかすかに眇めて、静かに微笑む。

何か複雑な事情があるのだろう。それを問いはしないが、こうして知り合えたのも何かの縁。自分に出来る範囲の事なれば、力になりたい。

軽く首を傾げて問う。続く言葉には軽く頷いて。

きっと手掛かり見つかるよ、と。笑みを浮かべた。

見た事のないエンブリオの姿に首を傾げ。

呑気に杖を、構える。